研究方向を調整し、学術研究の突破口を目指す?科学発展の動向と将来方向性を明確する必要がある!サイヤジェン株式会社のコラム「Gene of the Week」では、毎週火曜日に注目が高い研究分野に基づき1種の遺伝子を紹介し、基礎情報、研究概要と応用を詳しく述べ、研究力と科学研究効率の向上をサポートいたします。そして今回ご紹介するのは、リンパ細胞V(D)J再配列に不可欠な遺伝子―Rag1、Rag2です。
IgとTCRの生殖細胞系遺伝子(germ line gene)のV、D、J区域の両端には共に再配列シグナル配列(recombination signal sequence,RSS)が存在する。構造的にすると、RSSは一端に一つの7bpの配列(heptamer)、もう一端には9bpの配列(nonamer)があり、両者の間に12bpまたは23bpのspacer配列を挟くことから、RSSは2つのタイプに分けることができる:12bpのspacer付き12-RSS、および23bpのspacer付き23-RSS(図1a)である。12/23規則とは、V(D)Jの再配置中に、12-RSSは23-RSSとのみ組み合わせられることから、遺伝子フラグメントの正確な接続を保証できる。例えば、Ig重鎖(IgH)の生殖細胞系遺伝子では、VHおよびJH遺伝子の両側は共に23-RRSであるが、DH遺伝子の両側は12-RSSであり、12/23規則によってVHとJH遺伝子の直接接続を防ぎ、DH遺伝子も再配列に関与されるよう保証できる(図1b)。さらに、分子レベルから考察すると、12-RSSと23-RSSの結合もより安定したシナプス複合体(synapsis)を形成することができる。
V(D)J再配列の過程で、まず、Rag1/2複合体は高移動度群タンパク質B1(high mobility group box 1,HMGB1)の助けを得て(DNA結合を支援)、12-RSSまたは23-RSSを認識し結合し、RSSのheptamerとエンコード端の接合部に一本鎖切開を正確に導入する。切開により、コーディング末端に遊離の3'-OHゲインが生成され、このゲインは逆平行鎖のホスホジエステル結合を攻撃し、ヘアピン構造(hairpin)と鈍性のシグナル末端が形成される。シグナル末端はRAG1 / 2複合体との結合を保ち、ひとつの「post-cleavage complex」の一時的構造を形成する。それから、コーディングエンドとシグナルエンドの双方は共に非同源末端の連結(non-homologous end joining,NHEJ)経路を介して加工と連結を行い、コーディングジョイント(coding joint)と環状シグナルジョイント(signal joint)を形成する(図1c)。
[1] Nishana, M., & Raghavan, S. C. (2012). Role of recombination activating genes in the generation of antigen receptor diversity and beyond. Immunology, 137(4), 271–281.
[2] Akamatsu Y, Oettinger MA. (1998). Distinct roles of RAG1 and RAG2 in binding the V(D)J recombination signal sequences. Mol Cell Biol, 18(8):4670-8.
We use cookies to ensure that we give you the best experience on our website. To learn about how we
keep your information safe, view our Privacy Policy.
OKPrivacy policy