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アデノ随伴ウイルスによる CRISPR-SaCas9を用いたHBVトランスジェニックマウスにおけるHBV発現の阻害

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2018年10月23日

B型肝炎ウイルス(HBV)感染は、世界的に深刻な問題です。 1982年以降、B型肝炎ワクチンの接種によって、B型肝炎の拡大は大幅に防ぐことが可能となりました。しかし、慢性HBV感染(B型肝炎表面抗原(HBsAg)陽性、6ヶ月以上)の感染者数は依然として高いままです。 世界では推定688,000人以上が、肝細胞癌および肝硬変を含む慢性B型肝炎の合併症で毎年死亡しています。

 

HBVの病原性は、主に肝臓細胞における細胞性免疫応答に起因しています。 HBsAgおよびHBeAgは肝炎およびトランスアミナーゼを上昇させ、HBcAgは細胞傷害性Tリンパ球のCD8応答を誘発し、肝細胞の病理学的損傷を引き起こします。 長期間にわたる慢性肝炎は、肝硬変、肝臓癌、および肝不全をもたらします。 対策としては、血清HBsAgおよびHBeAgレベルならびに肝臓細胞におけるHBcAgレベルを低下させることによって、肝炎および肝硬変の発症を効果的に予防することができます。 しかしながら、インターフェロン-α(IFN-α)およびヌクレオシド類似体(NAs)など現在利用可能な治療薬では、血清HBsAgレベルを実質的に低下させることが出来ません。

 

これまでの研究によって、CRISPR-Cas9技術がHBV cccDNAを破壊し、細胞株およびHDIマウスモデルにおいて統合されたHBV DNAを根絶する可能性があることが証明されています。 またCRISPR-Cas9システムは、「滅菌」HBV治療を根本的に促進する可能性のある強力なツールであることが実証されています。 しかし現在まで、効率的かつ安全な遺伝子伝達ベクターが利用できていないため、HBV発現が慢性HBV感染のマウスモデルにおいて、CRISPR-Cas9を用いて効率的に減少したという報告はありません。

 

近年、小型のCRISPR-SaCas9(Staphylococcus aureus Cas9)が発見されたことにより、CRISPR-SaCas9系統を用いた遺伝子治療に関する新しいがCas9ツールが提供されました。Tristan Scott氏は、アデノ随伴ウイルスによるCRISPR-SaCas9がHBV cccDNAを効果的に破壊し、HBV細胞系モデルにおいてHBV複製を阻害し得ることを示しました。また最近の研究では、Liu et氏らがアデノ随伴ウイルスによるCRISPR-SaCas9を使用し、慢性HBV感染マウスモデルでHBV発現を阻害しようと試みましたが、HBV抗原の減少について有意差はありませんでした。

 

以前の研究では、組み換えAAV8によるCRISPR-SaCas9を用いて、HBVトランスジェニックマウスの血清HBsAg、HBeAgレベル、肝細胞HBcAgレベルを効果的に低下させることができました。 このAAV-Delivered CRISPR-Cas9を用いた慢性HBV感染マウスモデルにおいては、効率的に抑制され、さらにB型肝炎遺伝子治療におけるCRISPR-Cas9技術の可能性が確認されました。

 

Original source:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6141737/

 

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