CRISPRを介した代謝のゲノム編集治療

今回、実験動物における致死的な代謝障害を予防するための出生前遺伝子編集が初めて行われました。これは、出生前にヒトの先天性疾患を治療する可能性を示唆するものです。

 

Nature Medicineに発表されたペンシルベニア大学フィラデルフィア小児病院(CHOP)とPerelman医科大学の研究では、病気を引き起こす遺伝子のDNA構築を効率的に阻害する洗練された毒性の低い編集ツールを出生前に使用しています。

 

研究チームは、CRISPR-Cas9とbase editor 3(BE3)という遺伝子編集ツールを両方使用し、コレステロールレベルを調節する遺伝子をターゲットとすることで、子宮内でマウスのコレステロールレベルを低下させました。また彼らは、致死性肝疾患遺伝性チロシン血症1型(HT1)を引き起こす突然変異で編集されたマウスのグループにおいて、出生前遺伝子編集を使用して肝機能を改善し、新生児死亡を予防しました。

 

ヒトのHT1は通常幼児期に発症し、ニチジノンと呼ばれる薬と厳しい食事療法で治療することができます。しかしこの治療が失敗すると、患者は肝不全や肝臓癌のリスクを背負うことになります。出生前治療は、HT1及びその他の先天性疾患の予防への鍵となるかもしれません。

 

“私たちの目標は、妊娠初期に診断された重大な疾患を治療するため、実証研究で用いられたアプローチを応用することです。” と共同研究リーダーでCHOP's センター胎児診断治療の小児外科医William H. Peranteau 氏は言っています。 ”現在は、全ての患者に有効な治療法がなく、幼児に死亡または重篤な合併症をもたらず先天性疾患を、胎児の段階で治療するという戦略を広げたいと考えています。”

 

この研究では、CRISPRをCRISPR関連プロテイン9と結合し、CRISPR-Cas9ツールを部分的に活性化させたbase editor 3 (BE3)を使用し、胎児マウスの肝臓細胞の限定された位置に酵素を運ぶホーミング装置として利用しています。酵素は標的遺伝子配列を化学的に修飾し、DNA塩基を別のタイプに変化させました。BE3はDNA分子を完全に切断せず、予期せぬエラーも見られないため、CRISPR-Cas9よりも安全です。

 

研究用マウスの出生後、治療後3ヶ月まで安定した編集幹細胞を運び、他のDNAでも望ましくないオフターゲット効果の影響は見受けられませんでした。HT1をモデル化するために遺伝子編集されたマウスのグループでは、BE3が肝機能を改善し、生存維持に成功しました。BE3治療マウスは、HT1疾患治療方法であるニチジノン投与マウスよりも健康であることがわかりました。

 

CRISPR-Cas9とBE3を届けるため、これまでは遺伝子治療実験でよく使用されていたアデノウイルスベクターが使用されていました。しかし宿主の免疫系から意図しない、時には有害な反応を引き起こす可能性があり、現在では免疫反応を刺激しにくい脂質ナノ粒子などの大体方法が研究されています。

 

今後の方向性としては、base編集を使用して疾患の原因となる突然変異を直接修正し、肝臓以外の臓器に基づく他の疾患への適用を目指しています。

 

Peranteau 氏は次のように述べています。“臨床的に関連性の高い伝達メカニズムの調査や、このアプローチ法の安全性の確保など、相当量の作業を行う必要があります。しかし、肝臓や他の臓器に起因する遺伝子疾患を治療するこのアプローチ法の潜在的な可能性は高く評価されています。”

 

出典元: In utero CRISPR-mediated therapeutic editing of metabolic genes

 

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