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遺伝子編集をより簡単に

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2018年11月14日

国際的な研究チームは、複雑な実装を単純化することで、CRISPR技術をさらに使いやすくスタンダードにしました。Nature Communicationsにも掲載されたシンプルで高速なCRISPRは、遺伝子編集のための幅広いプラットフォームを提供し、この強力な技術の導入敷居を低くするかもしれません。

 

共同研究著者で、ベイラー医科大学のOlivier Lichtargeラボラトリー講師のDr. David Marcianoは次のように述べています。

 

“CRISPR技術は、遺伝子コードの特定配列を標的とし、正確な位置で遺伝子編集を行うプログラムができます。そして、生きた細胞で遺伝子の改変を行い、遺伝子機能の探求のために生物をモデル化することが可能になります。これには、ヒト疾患遺伝子も含まれます。”

 

また、共同研究者でVIB-KU Leuven微生物センターJan Michiels laboratoryの科学者であるDr. Toon Swingsは次のように述べています。

 

”これらの技術は、リボ核タンパク質複合体が、ガイドRNAと塩基対合する特定の配列でDNAを切断することを可能にしました。核酸/タンパク質複合体のモジュール性によって、研究者はほぼ全ての配列を標的とするガイドRNA配列を特定することができ、これによってDNA編集能力は大幅に向上します。”

 

しかしながら、このアプローチにはいくつかの課題があります。標的にできる配列の制約、オフターゲット効果の可能性や標的遺伝子に対する固有のガイドRNAの必要性などです。Marciano氏やSwings氏、そして共同研究者たちは、これらの問題を解決するための国際的な協力関係を確立しました。

 

Marciano氏は次のように語っています。

 

“Toonと私は、大腸菌(E.coli)の遺伝子のために多くの突然変異とガイドRNAを作製しなければなりませんでした。私たちは、遺伝子ノックアウトに見られる普遍的な配列を見つけることで、各々の遺伝子のためにガイドRNAを作製する必要がないことに気がつきました。”

 

今回の研究では、Keioコレクションと呼ばれる大腸菌クローンのライブラリーを使用しました。また各クローンには、カナマイシン耐性遺伝子で置き換えられた共通の遺伝子がありました。このコレクションは、2006年に慶應義塾大学と米国のパーデュ大学との共同で作られました。

 

Swings氏は次のように述べています

 

”コレクションのカナマイシンカセットに隣接する2つのFRTサイトをターゲットにすることで、この貴重なリソースを再利用することができました。”

 

彼らのアプローチ方法では、CRISPRの問題点を回避することができるので、遺伝子工学の製品として利用することができるようになります。ガイドRNAの設計とクローニングが不要で、レスキューテンプレートの構築ストラテジーが簡単になります。また、Keioコレクションは世界中の研究室からアクセスすることができ、それぞれのクローンはストックセンターから僅かな費用で入手可能です。

 

また、この新しい研究は生命に不可欠な遺伝子を標的にすることで、幅広いアプローチの可能性を提示しています。1つの染色遺伝子に異なる突然変異を持つ生物を作製し、新しい配列を遺伝子の自然な文脈に付加することも可能です。このメソッドは、大腸菌の遺伝子工学での既存の技術を保管するものでなくてはなりません。

 

Swings氏は次のように述べています

 

”大腸菌以外の多くのモデル生物は、遺伝子の置換物または挿入物のコレクションを持っていて、それはガイドRNAによってターゲティングすることができます。私たちは、この研究が遺伝子工学的アプローチのための幅広いプラットフォームになるよう願っています。”

 

また、Lichtarge氏は次のように述べています

 

“これは細菌遺伝学の素晴らしい例です。CRISPRが最初に発見された場所であり、今ではまた別の新しい細菌の技術が有効になるかもしれません。”

 

そして、共同著者かつVIB-KU Leuven Centerのグループリーダー、そしてルーベン大学の生物学と分子微生物学の教授であるDr. Jan Michielsは次のように述べています。

 

CRISPR技術に基づく開発プラットフォームは、微生物学の研究者にとって重要なヌクレオチド編集や、遺伝子機能を解明するための最初のステップである染色体変異のコレクション作成に役立つでしょう。”

 

出典: CRISPR-FRT targets shared sites in a knock-out collection for off-the-shelf genome editing

 

サイヤジェン株式会社について

サイヤジェン株式会社は15年間の発展を経て、全世界の数万人の科学研究者にサービスを提供しており、製品と技術は直接にCNS (Cell、Nature、Science)の定期刊を含む5,200余りの学術論文に応用されています。弊社の「ノックアウトマウスライブラリ」は低価格だけでなく、遺伝子名称を入力すれば、ワンクリックで注文まで操作できます。 ノックアウトマウスノックインマウスコンディショナルノックアウトマウストランスジェニックマウスGFPマウス免疫不全マウス無菌マウスなどのカスタマイズサービスを提供する以外、専門的な手術疾患モデルチームがあり、多種の複雑な小動物手術疾患モデルも提供できます。

 

 

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