遺伝子工学マウス遺伝子型PCR同定の基本原則は遺伝子工学マウスと野生型マウスとのゲノムのシーケンスの違いを利用して、マウスゲノムDNAをテンプレートとしてPCRを行い、ゲル電気泳動比で異なる遺伝子型の特異産物のサイズを比較し、ストリップのサイズによってマウスの異なる遺伝子型を区別することである。前回はコンディショナルノックアウトマウスの同定を説明しました。今回はコンディショナルノックインマウスの同定を紹介します。
F1世代floxマウスのターゲットが正しいか検証する
01 プライマーの設計
F1/R1は5'armターゲットの正確性を検証し、F2/R2は3'armターゲットの正確性を検証し、F4/R4は挿入区域を検証する。陽性と同定されたマウスが引き続きSouthern Blot検証を行う。
02 予想される断片サイズ
ストリップ1のサイズ:F1/R1の拡大した5'arm末端であり、野生型の骨組み区域+相同腕+loxP+ノックイン区域が含まれる。
ストリップ2のサイズ:F2/R2の拡大した3'arm末端であり、野生型の骨組み区域+相同腕+loxP+ノックイン区域が含まれる。
ストリップ3のサイズ:F4/R4の拡大した挿入断片である。
コメント:ストリップ1とストリップ2は相同腕骨組み区域の検証で、サイズは通常2kb以上で拡大しにくい。
03 電気泳動の結果
電気泳動を行った後で同時にストリップ1、ストリップ2、ストリップ3があるなら、陽性floxマウスと判断する。
目的ストリップが出ないなら、陰性マウス(野生型或いは他の突然変異)と判断する。
04 シークエンシング
PCR同定の以外、産物のシークエンシングも必要である。F1/R1の拡大産物のシークエンシングプライマーはloxP部位に近い5’arm(図示F3)に設定する。F2/R2の拡大産物のシークエンシングプライマーはloxP部位に近い3’arm(図示F4)に設定する。
floxマウスの遺伝子型の同定
F1世代マウスは出荷する時に既に相同腕ターゲットの正確性を検証された。1kb以下の目的断片を検証すればいい。通常特異性のよいloxPの辺りに設計する。
ストリップ1のサイズ:F5/R5の拡大した5'arm末端であり、野生型である。
ストリップ2のサイズ:F6/R6の拡大した5'arm末端であり、相同腕+loxP+ノックイン区域である。
電気泳動を行った後でストリップ1だけあるなら、野生マウス(+/+)と判断する。
電気泳動を行った後でストリップ2だけあるなら、陽性ホモマウス(flox/flox)と判断する。
電気泳動を行った後でストリップ1とストリップだけあるなら、陽性ヘテロマウス(flox/-)と判断する。
Creマウスの削除効率を同定する
ホモ或いはヘテロfloxマウスとCreマウスとの後世は削除効率、つまり削除が発生したか同定する必要である。もしマウスの尾がCre陽性なら、特異性組織を取って検証する。
5'armと3'armにプライマーを設計する。cKI区域の上流・下流に位置する。
ストリップ1のサイズ:F6/R7の拡大したターゲットベクター断片のサイズである。
ストリップ2のサイズ:F6/R7の拡大した削除後の断片のサイズである。
ストリップ3のサイズ:F6/R6の拡大した5'arm末端であり、相同腕+loxP+一部のノックイン区域である。
ストリップ4のサイズ:F5/R5の拡大した5'arm末端であり、野生型である。
コメント:F6/R7は断片が多すぎるか、またはゲノムの精製効果が悪いため、ストリップが出ない可能性がある。
電気泳動を行った後でストリップ2だけあるなら、cKIホモマウス(二つの染色体とも削除が発生した)と判断する。
電気泳動を行った後でストリップ2とストリップ4があるなら、cKIヘテロマウス(1つの染色体が削除が発生した)と判断する。
電気泳動を行った後でストリップ1或いはストリップ3があるなら、Cre削除効率が低いか、またはloxpの間の区域で削除が発生しなかったかもしれない。
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