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代謝疾患の原因遺伝子FGF21

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2021年1月20日

遺伝子は多くの人類疾患の内因性要素であり、病気に関する遺伝子の研究は生命医学研究分野の主流である。病気に関する遺伝子及びこれらの遺伝子の概況をどのように迅速に把握するか?大量の文章を読み情報を収集し、スクリーニングするのは本当に時間と体力が必要である。そのため、サイヤジェン株式会社の新たなコラム「Gene of the Week」が毎週オンラインで情報を紹介することになりました。研究者様が毎週遺伝子を1つ把握させるために、毎週遺伝子を1つご紹介します。少しでもお役に立てたのであれば光栄です。

本日ご紹介するのはFGF21遺伝子です。

 

Cyagenノックアウトマウスライブラリ情報をぜひアクセスしてください。

https://www.cyagen.jp/services/crispr-knockout-mouse-sperm-bank.html

遺伝子名称を入力すると、弊社の在庫情報と見積もりが入手できます。

 

遺伝子の基本情報

人類 マウス ラット
染色体 19番 7番 1番
遺伝子全長(bp) 2807 1601 1244
mRNA(nt) 1347 947 627
エクソン数量 4 3 8
アミノ酸数量 209 210 208
遺伝子ファミリー FGF19, FGF23, FGF14, FGF4, FGF16等

 

サイヤジェン株式会社のマウスモデル

在庫状況 カスタマイズ 精子バンク 生体
FGF21ノックアウトマウス
FGF21コンディショナルノックアウトマウス  

備考:√マークはこの状態の製品をサイヤジェンノックアウトマウスライブラリで保存していることを示している

 

FGF21遺伝子研究の概要

FGF遺伝子ファミリーは、広範に有糸分裂と細胞の生存活性を促進し、胚の発育、細胞の成長、形態の発生、組織の修復、腫瘍の成長と侵襲を含む様々な生物過程に参加している。線維芽細胞成長因子21(FGF21)は1種の肝臓サイトカイン-即ち、肝臓により分泌するホルモンである-視床下部室傍核のFGF21受容体を介して信号伝達により簡単な砂糖摂取と甘いものへの偏愛を調整し、側坐核のドーパミン神経伝達の減少と関連している。FGF21の機能は主に糖代謝、脂質代謝、インスリン抵抗などに現れる。

 

FGF21と関連する疾患は獲得脂肪異栄養症と肝臓細胞明細胞がんが含まれる。その関連ルートは、リポ蛋白代謝と呼吸鎖電子伝達、化学浸透カップリングによって生成されたATP、および脱共役によって生成された熱量を含む。この遺伝子と関連した遺伝子本体論(GO)注釈は、成長因子活性と線維芽細胞成長因子受容体結合を含む。ブドウ糖輸送タンパク質SLC2A1/GLUT1の発現の誘発(SLC2A4/GUT4の発現ではなく)を通じて、分化した脂肪細胞を刺激してブドウ糖を摂取させる。活性はKLBが必要である。

図1.FGF21遺伝子の相互作用タンパク網の画像

図1. FGF21遺伝子の相互作用タンパク網の画像

 

FGF21を欠けたマウスはPGC-1αの発現を完全に誘導して禁食時間の延長に応答できず、糖新生とケト体生成が損傷を受ける。マウスでは、PPAR-αを長時間に禁食することにより、肝臓でFGF21を強く誘導でき、さらに共活性化因子PGC-1αを転記させ、肝臓の糖新生、脂肪酸酸化とケト体生成を刺激する。白い脂肪組織では、PPAR-γがFGF21の発現を誘導する。これは食事状態の新陳代謝を調節することもできることを示している。げっ歯類や低タンパク質飲食を食べた人類はFGF21を誘導する。食事に必要なアミノ酸のメチオニンの低下もFGF21の発現を誘導する。肝臓で特異的にFGF21をノックアウトすると、マウスは脂肪肝と高脂血症が発生し、血清ケトンのレベルが低下する。

 

ヒト組織におけるFGF21遺伝子の発現

図2.ヒトとマウスとのTREM2遺伝子mRNAの相対発現量

図2. ヒトとマウスとのTREM2遺伝子mRNAの相対発現量

 

推薦文献: 

1. Stephanie von Holstein-Rathlou S, BonDurant LD, Peltekian L, Naber MC, Yin TC, Claflin KE, Urizar AI, Madsen AN, Ratner C, Holst B, Karstoft K, Vandenbeuch A, Anderson CB, Cassell MD, Thompson AP, Solomon TP, Rahmouni K, Kinnamon SC, Pieper AA, Gillum MP, Potthoff MJ (February 2016). "FGF21 Mediates Endocrine Control of Simple Sugar Intake and Sweet Taste Preference by the Liver". Cell Metabolism. 23 (2): 335–43.

2. Talukdar S, Owen BM, Song P, Hernandez G, Zhang Y, Zhou Y, Scott WT, Paratala B, Turner T, Smith A, Bernardo B, Müller CP, Tang H, Mangelsdorf DJ, Goodwin B, Kliewer SA (February 2016). "FGF21 Regulates Sweet and Alcohol Preference". Cell Metabolism. 23 (2): 344–9.

3. Frayling TM, Beaumont RN, Jones SE, Yaghootkar H, Tuke MA, Ruth KS, Casanova F, West B, Locke J, Sharp S, Ji Y, Thompson W, Harrison J, Etheridge AS, Gallins PJ, Jima D, Wright F, Zhou Y, Innocenti F, Lindgren CM, Grarup N, Murray A, Freathy RM, Weedon MN, Tyrrell J, Wood AR (April 2018). "A Common Allele in FGF21 Associated with Sugar Intake Is Associated with Body Shape, Lower Total Body-Fat Percentage, and Higher Blood Pressure". Cell Reports. 23 (2): 327–336.

4. Shimazu T, Hirschey MD, Hua L, Dittenhafer-Reed KE, Schwer B, Lombard DB, Li Y, Bunkenborg J, Alt FW, Denu JM, Jacobson MP, Verdin E (December 2010). "SIRT3 deacetylates mitochondrial 3-hydroxy-3-methylglutaryl CoA synthase 2 and regulates ketone body production". Cell Metabolism. 12 (6): 654–61.

5. Markan KR, Naber MC, Ameka MK, Anderegg MD, Mangelsdorf DJ, Kliewer SA, Mohammadi M, Potthoff MJ (December 2014). "Circulating FGF21 is liver derived and enhances glucose uptake during refeeding and overfeeding". Diabetes. 63 (12): 4057–63.

 

サイヤジェン株式会社について

サイヤジェン株式会社は15年間の発展を経て、全世界の数万人の科学研究者にサービスを提供しており、製品と技術は直接にCNS (Cell、Nature、Science)の定期刊を含む5,200余りの学術論文に応用されています。弊社の「ノックアウトマウスライブラリ」は低価格だけでなく、遺伝子名称を入力すれば、ワンクリックで注文まで操作できます。 ノックアウトマウスノックインマウスコンディショナルノックアウトマウストランスジェニックマウスGFPマウス免疫不全マウス無菌マウスなどのカスタマイズサービスを提供する以外、専門的な手術疾患モデルチームがあり、多種の複雑な小動物手術疾患モデルも提供できます。

 

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