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Cell Metab:スイス連邦工科大学チューリッヒ校は内皮細胞が筋肉の再生を調節するための新しいメカニズムを明らかにしました

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2021年5月13日

内皮細胞(endothelial cell,EC)は血管全体に分布しており、酸素ガスと栄養素の輸送、免疫細胞の運搬、および遠隔組織からの老廃物の除去をするための重要なパイプラインです。現在、内皮細胞(ECs)の代謝は血管新生を促進する重要な要因であると考えられており、解糖、脂肪酸の酸化、グルタミン代謝などのECsのさまざまな代謝経路は、血管新生のプロセスでさまざまな重要な役割を果たします。研究によると、解糖プロセスにおける重要な律速酵素であるホスホフルクトキナーゼ-2 /フルクトース-2,6-ビスホスファターゼ3(phosphofructokinase-2/fructose-2,6-bisphosphatase 3,PFKFB3)は、比較的強力なキナーゼ活性を有しますが、その活性を阻害すると、解糖を著しく減少させることができ、それによって病的な血管新生を阻害します。ECsはまた、血管分泌シグナル伝達を介して組織の恒常性と再生を促進しますが、局部の虚血誘発性の筋肉再生を制御するためにECが代謝性血管内分泌クロストークに関与するかどうかは不明です。

 

最近、スイス連邦工科大学チューリッヒ校のKatrien De Bockチーム(筆頭著者は張静です)は、Cell Metabolism雑誌で「Endothelial Lactate Controls Muscle Regeneration from Ischemia by Inducing M2-like Macrophage Polarization」というタイトルの記事を発表し、内皮細胞は乳酸を分泌してマクロファージの極性化を介することによって血管再生と筋肉再生を促進することを明らかにし、筋肉内において内皮からマクロファージへの2種目の乳酸シャトルメカニズムがあることを証明しました。

 

  

マクロファージは、骨格筋の再生において重要な役割を果たします。研究者は、内皮細胞(EC)における解糖調節因子pfkfb3の特異的欠失が、虚血性後肢の損傷した血管の新生と筋肉再生を緩和できることを発見しました。これは、血管新生および再生を促進するマクロファージのM2型発現能力の低下によって引き起こされるものです。内皮細胞PFKFB3特異的ノックアウトマウスにおけるM2型極性化障害と虚血後筋肉修復障害との間の機能的相関を分析するために、後肢虚血の3日後、研究者は未極性化骨髄由来マクロファージまたはM2型マクロファージをマウスの後肢に注射したところ、M2型マクロファージが内皮細胞PFKFB3特異的ノックアウトマウスの筋肉修復を有意に促進することを発見しましたが、完全にコントロールグループのレベルに足していません。これは、虚血後の筋肉組織の修復に対する内皮細胞PFKFB3ノックアウトの影響が、部分的にM2型マクロファーゴ極性化を調節することによって作用することを示しています。

 

ECが血管分泌メカニズムを利用してマクロファージの極性化に影響を与えるかどうかを研究するために、研究者は、野生型マウス内皮細胞とPFKFB3ノックアウトマウス内皮細胞を分離してBMDMsと共培養したところ、野生型マウス内皮細胞がBMDMsのM2型マクロファージへの分化を有意に促進することを発見しました。興味深いことに、mECs-CM(馴化培地)によるBMDM刺激は、代表的なIL-4を介したM2極性化を完全に要約することができません。mECのCMから代謝物を除去すると、M2型極性化を誘発する能力が低下します。正常内皮細胞およびPFKFB3ノックアウト内皮細胞由来培地のサイトカイン(cytokine)および代謝産物の分析を通じて、PFKFB3がノックアウトされた後、内皮細胞のサイトカインに有意な変化がありませんが、乳酸の分泌が有意に減少したことが発見されました。同時に、生理的濃度の乳酸を補充した後、PFKFB3ノックアウト内皮細胞由来培地はM2型マクロファージの極性化能力の増強を促進しました。マクロファージの極性化を制御する乳酸の能力には馴化培地が必要であることに注意する価値があります。これは、機能的極性化には他のサイトカインまたは代謝物の存在が必要であることを示しています。

 

研究者はさらに、分化後マクロファージ培地を収集し、PFKFB3ノックアウト内皮によって誘導されたマクロファージ培地がより多くのVEGFを分泌することを発見しました。M2型マクロファージの極性化を促進することにより(M2型マクロファージを移植するか、乳酸レベルを増加させることにより)、内皮細胞PFKFB3特異的ノックアウトマウスのVEGFレベルを回復し、それによって血管密度を増加させることができますが、後者は乳酸投与後に野生型マウスのレベルに達することができませんでした。これは、観察された血管新生欠陥(少なくとも虚血性筋肉において)が、PFKFB3が内皮の遊走/増殖を直接阻害する効果と、筋肉微小環境の血管新生への刺激が減少した効果の組み合わせによるものであることを示しています。

 

モノカルボン酸トランスポーター1(MCT1)は乳酸の重要な担体であり、内皮細胞由来の乳酸がマクロファージの極性化を促進する分子メカニズムを研究するために、研究者はマクロファージMCT1特異的ノックアウトマウス(サイヤジェンによって構築された)を使用して、さらなる研究を実施しました。下肢虚血の条件下で、マクロファージMCT1ノックアウトはM2型マクロファージの分化を阻害すると同時に筋肉組織VEGFの分泌を減少させることがわかりました。病理学的分析により、MCT1ノックアウトが血管新生と筋肉組織の再生を阻害することがわかりました。放射性標識実験により、マクロファージはMCT1を乳酸担体として使用して、内皮由来の乳酸を細胞内に輸送し、基質としてマクロファージの酸化的代謝に関与することがわかりました。低酸素と低栄養の条件下でマクロファージが機能するためのエネルギーを提供します。

 

要するに、この研究は、内皮細胞が、その独特の代謝特徴を利用して、虚血期間においてマクロファージへの乳酸シャトルに依存する血管分泌方法で筋肉再生を調節することを証明しました。乳酸を介したマクロファージ極性化は、血管新生と筋肉の再生を促進します。したがって、EC特異的pfkfb3が失われると、筋肉の乳酸レベルが低下し、虚血後の筋肉の修復が損なわれます。代謝性血管内分泌シグナルは、新しいメカニズムを提供しており、このメカニズムを通じて、ECが組織の恒常性と再生を促進できます。

 

 

 

オリジナルの検索:

Endothelial Lactate Controls Muscle Regeneration from Ischemia by Inducing M2-like Macrophage Polarization. DOI: 10.1016/j.cmet.2020.05.004.

 

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