凍結保存

サイヤジェン株式会社(Cyagen)では、マウス胚および精子の凍結保存サービスを提供しています。本サービスは、大切な研究資源を安全に保管するだけでなく、必要なタイミングで迅速に再取得することも可能です。凍結保存された資源をご利用いただく場合、最短4~6週間で目的の動物モデルをご提供できます。

 

遺伝子組換え、ノックアウト、ノックイン、ヒト化など、多様な遺伝子改変動物モデルの作製と活用が広がる中、これらの重要なモデルを維持するには、多くの人手・費用・飼育スペースが必要となります。

このような課題に対し、凍結保存技術は、研究者が高額な維持費用をかけることなく、動物モデルのコアラインを安全に保存できる有効な手段として注目されています。

凍結保存には以下のような多くの利点があります:

  • 微生物汚染からの保護

  • 火災・洪水・地震など自然災害による損失の回避

  • 世代交代による遺伝子ドリフトや表現型変化の防止

  • 生体動物輸送に比べ、凍結胚・精子・卵巣の輸送コストとリスクの大幅な低減

サイヤジェン株式会社(Cyagen)では、マウスの胚および精子の凍結保存サービスを提供しています。

お客様の貴重な研究資源を安全に保存するだけでなく、保存されたリソースを活用する場合には、最短4~6週間でモデルマウスの再取得が可能です。
研究継続の柔軟性と効率性を高めるサポートを提供いたします。

 

(一)胚の凍結保存サービス

胚の凍結保存は、実験動物系統を最も早く・安全に保存するための手法として広く活用されています。胚は、過剰排卵処理を施したメスマウスとオスマウスを交配、または体外受精(IVF)により採取されます。

本手法により、動物モデルの重要な系統を長期的に維持・保管でき、将来的な再導入も容易になります。

 

胚の凍結保存の成果は、以下の3つの要素によって大きく左右されます:

  1. 凍結保存する胚の数

  2. 蘇生後に発育可能な胚の割合

  3. 胚移植後に生存・成育する成体動物の数

 

Cyagenの提案

当社では、系統ごとに二細胞期胚を約300個保存することを推奨しています。胚は1本のストロー(凍結用試験管)に20~30個ずつ分注し、液体窒素中に凍結保存されます。
保存期間中、お客様の研究ニーズに応じて、胚の蘇生・移植サービスも対応可能です。

 

手順 内容
① 胚の採集 二細胞期胚を採取(この段階が凍結に最適)
② 胚の洗浄 微生物汚染を防ぐため、国際胚移植学会(IETS)の基準に従って洗浄
③ 胚の凍結 透化凍結法により、凍結液処理後に液体窒素で保存
④ 蘇生検証 保存から1週間後に1~2本のストローをサンプリングし、胚を蘇生。胚の50%以上が胞胚まで発育、または出産確認ができれば、保存成功と判断
⑤ 長期保存 成功が確認された胚は、専用の液体窒素容器にて長期保存

 

サービス内容の詳細

お客様より遺伝子改変マウス(遺伝子組換えやノックアウト)のオスマウスをご提供いただきます。
当社にて、以下の工程を行います:

  • 過剰排卵誘導を受けたメスマウスとの交配または体外受精(IVF)を実施

  • 二細胞期胚を採取

  • 透化凍結法にて胚を凍結保存

  • 液体窒素中で安全に保管

 

技術条件とご準備いただく情報

  • 12週齢~6ヵ月齢のオスマウス 6~10匹(遺伝子改変陽性マウス、ヘテロ/ホモのKOマウスなど)

  • 遺伝子判定用プライマー情報およびPCR条件

当社にてマウスの遺伝子型を再確認後、過剰排卵したメスマウスと交配またはIVFを行い、二細胞期胚を1系統あたり300個凍結保存します。

 

(二)精子の凍結保存サービス

精子凍結とは

精子の凍結保存は、動物モデルのソースを長期的に保存するための有効な手段として広く利用されています。
本技術は高い成熟度と低コスト・高操作性を兼ね備えており、研究資源の効率的な管理を可能にします。

無菌的な手術手法により、オスマウスの副睾丸から精子を回収します。活力の高い精子を選別後、専用の凍結保護液と混合し、ストローまたは凍結保存管に充填して液体窒素中に保存します。

 

保存提案と必要条件

系統ごとに以下の条件での凍結保存を推奨します:

  • 12週齢~6ヵ月齢の健康なオスマウスを3匹以上提供

  • 1系統につき、10~20本のストローまたは凍結保存管に精子を保存

この保存方式により、将来の体外受精や系統復元に柔軟に対応可能です。

 

精子凍結の主な利点

  • 不要な時期の品系を一時的に保存でき、飼育リソースを節約

  • 遺伝的変異の蓄積やドリフトを抑制し、品系の純度を維持

  • 貴重なマウス系統を、感染症・自然災害・人的ミスなどのリスクから保護

 

(三)胚・精子の蘇生サービス

お客様のご要望に応じて、凍結保存された胚または精子を蘇生し、得られた胚をSPFレベルの偽妊娠マウスに移植します。その結果、SPF環境での次世代マウスを取得することが可能です。外部由来の胚または精子を使用する場合、凍結方法および蘇生手順に関する情報のご提供が必要です。

 

技術仕様

  • 弊社で凍結保存した胚または精子を使用した場合、SPFレベルの遺伝子改変マウス2匹(陽性個体またはノックアウトヘテロ個体)を保証します。性別の指定はできません。

  • お客様がご提供された凍結胚を使用した場合、出産されたすべての子マウスをお客様にお渡しいたします。

※ 遺伝子型に関する鑑定レポートの作成・提出にも対応可能です。お客様に関する鑑定報告書を提供することができます。

 

サービス期間

通常、9~12週間以内に蘇生から子マウスの引き渡しまでを完了いたします。

ビジネス・開発・コラボレーションの機会については、お問い合わせください

Your First Name can not be empty

Institution/Affiliation can not be empty

Your Phone can not be empty

有効なメールアドレスを入力してください

Your Email can not be empty

The content can not be empty

マウスモデルカタログ