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【Gene of the Week】 エピジェネティック・スーパースター — KDM2b

Cyagen Technical Content Team | November 24, 2021
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目次

目次

01 遺伝子紹介 02 疾患の紹介 03 マウス表現型の紹介 04 Fbxl10欠損型のES細胞は、依然として幹細胞性を保持しています 05 Fbxl10遺伝子の異常は、前脳奇形を引き起こす可能性があります 06 まとめ

遺伝子は多くの人類疾患の内因性要素であり、病気に関する遺伝子研究は生命医学研究分野の主流である。病気に関する遺伝子及びこれらの遺伝子の概況をどのように迅速に把握するか?大量の文章を読み情報を収集し、スクリーニングするのは時間が必要である。そのため、サイヤジェン株式会社の新たなコラム「Gene of the Week」が毎週オンラインで情報を紹介することになりました。研究者様が毎週遺伝子を1つ把握できるために、毎週遺伝子を1つご紹介します。少しでもお役に立てたのであれば幸いです。

本日ご紹介エピジェネティック・スーパースター ―KDM2b

遺伝子紹介

KDM2bコードは、F-boxタンパク質ファミリーのメンバーで、F-boxタンパク質ファミリーは約40個のアミノ酸の特徴的なモチーフを有します。F-boxタンパク質は、ユビキチンリガーゼ複合体SCF(SKP1-cullin-F-box)を構成する4つのサブユニットのうちの1つで、リン酸化仲介ユビキチン化効果があります。Fボックスタンパク質は、3つの種類に分けられます。WD-40ドメインを含むFbws型、ロイシンの繰り返し構造を持つFbls型、そしてFbxs型で、異なる蛋白質間相互作用のモチーフが含まれないか、またはまだ特定されないモチーフが含まれます。Kdm2bでコードされたタンパク質は、Fblsクラスに属します。Kdm2bには、複数の選択的スプライシング転写物が存在することがわかっているため、一部の転写物の機能はまだ完全に確定されていません[1]。

疾患の紹介

KDM2bに関連する疾患には、Cohen症候群と乳児痙攣症が含まれます。このタンパク質に関連する作用経路には、クロマチン三次元構造の調節とクロマチン・エピジェネティック修飾が含まれます。この遺伝子に関連するGOアノテーションの機能には、rRNA結合能とヒストンデメチラーゼ活性が含まれます。この遺伝子の重要な同源遺伝子は、KDM2A[2] です。

マウス表現型の紹介

この遺伝子(長トランスクリプト)が欠失した対立遺伝子ホモ接合マウスは、生まれた後の脳への曝露、胎児または生まれた後の致死、眼組織の異常、尾の屈曲、乏精子症、アポトーシスの増加、および神経前駆細胞増殖の増加が現れます[3]。

以前の研究では、FBXL10(KDM2b)が2つの主要なトランスクリプトを発現することが示されています。FBXL10-1は長いトランスクリプトで、このトランスクリプトから翻訳されたタンパク質は、N末端にヒストンデメチラーゼドメインを持ち、C末端にF-box、CXXC、PHD、RING、ロイシンリピートドメインを持ちます。FBXL10-2は短いトランスクリプトで、他のエクソンから転写し始め、このトランスクリプトから翻訳されたタンパク質は、ヒストンデメチラーゼドメインを欠いていますが、他のすべてのドメインを保持しています。

研究者は、FBXL10-1とFBXL10-2の欠失型が明確に異なる表現型を持っていることを更に発見しました。FBXL10-2欠失型のマウスは、FBXL10-1変異体のように前脳の曝露、眼組織の異常、または尾の屈曲が現れていません。比べると、FBXL10-2の生存個体は、身長低下と頭蓋顔面の発育が異常という特徴を持っていますが、生まれる前に死亡した個体は、頭蓋顔面と神経管の発育異常という特徴を持っています(図1)。FVBと戻し交配した後、FBXL10∆−2/∆−2の胎児が生まれた時に脊椎支持亀裂と瞼の異常も発生します(図1)[4] 。

FBXL10-2対立遺伝子欠失胚における頭蓋顔面および神経管の異常

図1 FBXL10-2対立遺伝子のホモ接合性欠失のE12.5胚(第1列目)とE17.5胚(第3列目)は、頭蓋顔面異常が現れます。遺伝子欠損型マウスの胎児の頭は、出生時に押し付けられ、更に出生時に目が開くという表現型(下部の黒い矢印)が明確にわかります。Δ-2/Δ-2胚(中行)に屈曲した神経管が観察されます。

研究者は、FBXL10の2つのサブ型を削除することにより、FBXL10Tホモ接合モデルを編集し出し、このモデルを利用して異なる性別間の表現型を研究しました。図2に示すように、野生型と比べて、これらの胚はより深刻な表現型とより明確な性別差異が現れます。胚は、10.5日に発育を停止し、Fbxl10∆−2/∆−2変異体に発見した神経管のねじれを含むさまざまな重度の発育異常が現れます。図2は、FBXL10-1遺伝子とFBXL10-2遺伝子削除の仲介性別差異を示します。発育程度が最も低い雌の胚と発育が最も速い雄の胚は、ほぼ同じ段階で発育が停止することがわかります[4]。

Fbxl10<sup>T/T</sup>胚における性別差異の表現型

図2 Fbxl10T/T胚性別差異の表現型の解剖図です。胚は、胚期の10.5日に収集され、Sry遺伝子によって性別が識別されます。

Fbxl10欠損型のES細胞は、依然として幹細胞性を保持しています

研究者は、胚盤胞から、生成したFbxl10Tの対立遺伝子のホモ接合性ES細胞を分離し、培地で増殖させます。研究者は、変異ESが多能性マーカーNANOGおよびOCT4を発現でき(図3a)、野生型胚盤でキメラ化でき、すべての組織の成長と分化をサポートできることを発見しました(図3b)。DNAメチルトランスフェラーゼ遺伝子発現の分析により、Fbxl10T/TES細胞は、分化されないES細胞を持つという特徴がさらに証明されました。Fbxl10T/T細胞は、分化されないES細胞と配偶子を発現し、特定の段階で生殖細胞に特有なDnmt3a(Dnmt3A2)とDnmt3Lを生じます。これ以外に、Dnmt1とDnmt3Bは、野生型ESとFbxl10T/TESにおける発現レベルも非常に類似しています。

Fbxl10<sup>T/T</sup>ES細胞における多能性およびDNAメチル転移酵素の発現

図3 Fbxl10T/T胚性幹細胞は、多能性および胚性幹細胞の特徴を保持しています。(A)多能性マーカーNANOG(頭部)およびOCT4(底部)の発現です。(B)WT胚盤胞へ注射後、変異ES細胞は、E9.5胚のすべての組織の発育をサポートし、変異ES細胞の多能性が現れます。(C)DNAメチルトランスフェラーゼ発現の発現プロファイリング分析です。ES細胞特異性Dnmt3A2とDnmt3Lは、野生型とFbxl10T/T ES細胞中にいずれも発現します。Dnmt3Lは、分化細胞中に発現しません。これ以外に、Dnmt1およびDnmt3Bは、変異型と野生型ES細胞における発現プロファイルと一致します[5] 。

Fbxl10遺伝子の異常は、前脳奇形を引き起こす可能性があります

Fbxl10+/−ヘテ胚合胚は、中脳および後脳神経管が閉じていない、および前脳奇形という特徴が現れます。すべての前脳異常のFbxl10−/−マウスは、直後に中枢神経系障害で死亡し、これ以外に、E18.5の場合はマウスが脳出血と体型縮小も現れました(図4GとH)。これ以外に、Fbxl10−/−の胚は更に眼組織の欠損と尾が縮れるという特徴が現れま(図4F)、異常率は、それぞれ40%と10%になっています[6]。

Fbxl10<sup>−/−</sup>胚における前脳奇形および神経管の異常

図4 Fbxl10欠陥型の胚の表現型。(A–H)Fbxl10−/−と対照群の異なる段階での胚の側面図です。A–D:胚期の9.5日と10.5日での胚の側面図で、対照群の胚(AとC)神経管は閉じられましたが、突然変異胚の神経襞は、まだ閉じていません(BとD、矢印)。EとF:胚期の14.5日で、一部のFbxl10−/−胚(F)は、中前脳の異形成(E)(矢印)、眼組織欠損(黒い三角形)および尾が縮れた(白い三角形)ことを含む表現型が現れます。GとH:胚期18.5日で、Fbxl10−/−胚(H)は、対照群の胚(G)より小さく、前脳出血のために全身が青白いです。

まとめ

KDM2bは、クロマチン組織構造とヒストンのエピジェネティクスが調節可能な重要なタンパク質として研究者に深く研究されつつあります。Kdm2bは、神経と脳の発育に重要な役割を果たし、将来の研究は、このタンパク質が分子レベルでパターンをどのように調節するか、またはこのタンパク質がクロマチン組織構造とヒストン修飾の面への影響に集中されるかもしれません。

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