[Weekly Research Models] 免疫不全マウス - ヌードマウス(BALB/c nude)


目次
01 ヌードマウスの生理的特徴 02 ヌードマウスの応用ヌードマウスの生理的特徴
本日ご紹介するのは免疫不全マウスBALB/c nudeヌードマウスです - このマウスは「毛髪無」、胸腺無、皮膚にしわがあり、外観的に少し老けてみえる。実際には完全にはげではなく、髪の量が少ないだけである。現在、ヌードマウスは医学や生物学研究領域において欠かせない試験動物モデルになっている。特に腫瘍学、免疫学、薬剤と生物製剤の安全性評価および有効薬剤のスクリーニング等、試験面において特別な価値がある。
胸腺無、「毛髪無」
外観からみると、ヌードマウスはほぼ無毛である。ただし、生まれた時には正常な毛嚢が含まれていたが、多くの毛幹が漏斗部に絡まり、表皮から突き抜けないため、見た目ははげとなった。つまり、ヌードマウスは根本的なはげでなく、毛髪が薄く生えても正常な現象である。
一体何が毛幹の表皮からの突き抜けを阻止し、ヌードマウスをはげにさせているのか?それは第11染色体にある劣性遺伝子Foxn1(forkhead box N1)の突然変異(この突然変異はFoxn1nuと呼ばれる)によりコードするタンパク質が早期に終止されたため、トランケーションされた無機能のタンパク質によるものである。ヘテロ接合性突然変異マウスは、見た目は野生型マウスと一緒で、細い毛がふかふかしている(図1)。
図1. ホモ接合性とヘテロ接合性突然変異マウスの比較。(a)ホモ接合性突然変異雌性ヌードマウス(nu/nu);ヘテロ接合性突然変異雌性ヌードマウス(nu/+)(平均週齢は約7週間)。
Tリンパ球に免疫不全がある
特定のTリンパ球が介した免疫は、感染された細胞(例えば、ウィルスに感染された)または悪性細胞を破壊し、また宿主と移植物の反応(いわゆるHVGR)を果たしており、これは移植物(同種または異種)が宿主に拒絶される主な原因となる。ヌードマウスはnu/nu劣性突然変異によりFoxn1タンパク質が不足し、胸腺上皮細胞(TECs)とTリンパ球前駆細胞の分化や増殖に不全が存在するが、TECsはTリンパ球の成熟に極めて重要な役割を果している。Foxn1タンパク質は、胸腺の血管形成、T細胞前駆細胞の入植およびその分化を含むT細胞のその他機能にも影響を与える。
ただし、人類にとっては、無胸腺ヌードマウスは、さらに腫瘍、免疫学を研究するための動物モデルができた。T細胞機能の不全により、無胸腺ヌードマウスが同種と異種移植物を拒絶せず、快速に成長する腫瘍細胞の理想的な宿主となり、無毛のため、腫瘍の成長状況が観察・統計しやすいのに対し、ヌードマウスにはまだB細胞と強いNK細胞が応答するため、リンパ腫と白血病の宿主として利用できない。それに、T細胞の活性は年齢とともに増加するため、幼いマウス(一般的には週齢が5―10週間)で入植率を向上し、研究の再現性を向上するのが望ましい。
生存と繁殖能力が弱い
無胸腺ヌードマウス原種は成長が遅く、受精能力が低く、抵抗力が悪く、寿命が短いため、応用に制限がある。そのため、品種改良に注力され、純種BALB/c、C3H、C57BL/6マウスと交配させ、継続的に選抜育種し、三種類の近交系無胸腺ヌードマウスが取得されたが、これらの生物学的性状が改善されているが、上記の欠点がまだ克服されていない。ヌードマウスの乳腺が発育不全で、その後代を有効的に面倒を見れないため、雄性無胸腺ヌードマウスとヘテロ接合性雌性の交配で繁殖していた。1974年、NIHはBALB/c背景品種におけるnu遺伝子をSwiss NIHアウトブリードに導入し、アウトブリードヌードマウスを構築した。その繁殖能力と抗病力が明らかに強くなり、nu/nuヘテロ接合性雌性マウスで交配繁殖ができるようになった。SPF飼育システムの導入により、ヌードマウスが病原微生物を感染する確率が大幅位減少し、ヌードマウスの寿命も通常近交系マウスと同じぐらいに延長されている。
ヌードマウスの応用
ヌードマウスの発見と応用は、さまざまな業務を推進し、免疫学、腫瘍学に新しい有効なツールを提供している。
- 腫瘍薬物治療と腫�0瘂免疫に関する研究:同種と異種移植モデル、腫瘍細胞の増殖、侵襲と転移の潜在力、および抗癌治療法の効果の評価に使用可能
- 免疫と遺伝に関する研究
- ウィルス、細菌、寄生虫感染メカニズムに関する研究
- 生物製品と薬品の検定
- 皮膚病、微生物学上の研究
- 内分泌と高齢者医学上の応用
サイヤジェンはBALB/c背景のヌードマウスをご提供いたします。快速に成長する腫瘍細胞の理想的な宿主であり、無毛のため、腫瘍の成長状況が観察・統計しやすいです。
BALB/c nude(ヌードマウス)
遺伝背景:BALB/c
品種説明:
- 近交系マウス。
- Foxn1遺伝子の突然変異により、マウスの毛髪成長に異常があり、胸腺上皮が発育不全である。
- 成熟したTリンパ球が不足である。
表現型情報:
- ホモ接合性突然変異マウス(sp/sp)は無胸腺、無毛、T細胞機能の不全により、無胸腺マウスが同種と異種移植物を拒絶しない。
- ヘテロ接合性突然変異マウス(sp/wt)マウスに毛髪がある。ヘテロ接合性突然変異マウスは最初に正常な免疫系を有すると考えらたが、実際には、骨髄幹細胞の減少、胸腺重量の減少等、免疫学的に変動がある。そのため、ヘテロ接合性ヌードマウスはセンチネルマウスとして不適かもしれない。薬物動態と薬力学の研究に利用できる。
研究応用:
- 同種と異種移植モデル、腫瘍細胞の増殖、侵襲と転移の潜在力、および抗癌治療法の効果の評価に使用可能。
- 免疫と遺伝に関する研究。
- ウィルス、細菌、寄生虫感染メカニズムに関する研究。
- 皮膚病、微生物学上の研究。
- 内分泌と高齢者医学上の応用。
表現型検証:
- CDX
図1. ヒト胃癌細胞(HGC-27)がBALB/c nudeヌードマウスにて腫瘍モデルを有効に構築できる。
5×106または1×107 HGC-27細胞をそれぞれ皮下注射によりBALB/c nudeヌードマウスの体内に接種し、異なるタイミングで腫瘍形成体積とマウス体重を測定する。データはMean±SEMにより表示する。
ヌードマウス(BALB/c nude)以外にも、サイヤジェンの革新性のあるモデル動物医薬研究開発プラットフォームは、研究者様のニーズに応じて、従来の免疫不全マウスNOD scid、重度免疫不全マウスおよびC-NKG、免疫チェックポイントヒト化マウス、腫瘍細胞株移植モデル、ヒト由来腫瘍組織異種移植モデル(CDX)、遺伝子修飾モデルおよび表現型分析サービスなどのさまざまな効果的な腫瘍モデルを提供できます。また、弊社は研究者様のニーズを満たすために、さまざまな皮下、イン・サイチュ、または転移性腫瘍モデルを構築し、対応するモデルに対して高度にカスタマイズされたインビボ薬力学的サービスを提供できます。
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