
ライブウェビナー
HUGO-Nano™:マウスで発見された、ヒトフレームワークを有するナノボディ
ナノボディは、二重特異性・多重特異性抗体、T細胞エンゲージャー、抗体薬物複合体(ADC)、CAR-T細胞、放射性リガンド療法などの構成要素として、その活用がますます広がっています。しかし、従来のいずれの探索手法にもトレードオフが存在します。すなわち、アミノ酸配列がヒト由来であること、あるいはラクダ科動物由来の天然VHHのような特性(高い可溶性、安定性、単一ドメイン構造)を備えていることのどちらか一方は実現できても、両方を兼ね備えたバインダーを得ることは極めて困難でした。
DATE
2026年11月20日 午前0時 (日本時間)
LOCATION
Online
はじめに
VHH(単一ドメイン抗体、ナノボディとも呼ばれます)は約15 kDaで、従来型IgG抗体(約150 kDa)の約10分の1の大きさです。軽鎖を必要とせずに単独でフォールディングし、通常サイズの抗体では到達できない隠れたエピトープや奥まったエピトープにも結合できます。ナノボディ治療薬市場は、主に多価・多重特異性フォーマットの開発が慢性疾患領域へ広がることを背景に、2026年の4億3,900万米ドルから2034年には18億3,000万米ドルへ成長し、年平均成長率(CAGR)は19.5%に達すると予測されています。一方、現在のいずれの探索手法にも課題があります。ラクダ科動物由来VHHは、大型動物への免疫に時間を要し、その後にヒト化が必要となるため、親和性が低下する可能性があります。トランスジェニックげっ歯類由来のヒトVHドメインは凝集しやすく、可溶性も低い傾向があります。また、トランスジェニックマウスで取得したラクダ科動物VHHも、通常はヒト化が必要です。
本ウェビナーでは、Cyagenの完全ヒト抗体探索プラットフォームHUGO-Ab™ファミリーの最新メンバーであるHUGO-Nano™をご紹介します。HUGO-Nano™マウスは、2つの改変を加えたヒト重鎖遺伝子座を有しています。1つ目はCH1ドメインの欠失で、これにより軽鎖を伴わずに重鎖が発現します。2つ目は、フレームワーク2(FR2)の一部のアミノ酸残基を、単一ドメインの可溶性を維持するラクダ科動物VHH特有の残基に置換することです。これにより、ヒトフレームワークを持ちながら、天然ナノボディのような可溶性、安定性および単一ドメインとしての性質を備えたVHH様抗体が産生されます。結合分子の配列はすでにヒト由来であるため、ヒト化工程は不要で、標準的なマウス免疫ワークフローにより抗体を探索できます。
概要
本ウェビナーでは、既存のVHH探索手法の限界と、ヒトフレームワークを持つナノボディプラットフォームがそれらの課題をどのように解決するかを解説します。HUGO-Nano™遺伝子座の設計について説明し、免疫からエンジニアリングに適したリード抗体の取得までの4段階の探索ワークフローを紹介するとともに、レパートリーの多様性、免疫細胞プロファイリング、結合分子の特性評価に関する検証データを提示します。
主な内容
- プラットフォームの設計とワークフロー: CH1の欠失とラクダ科動物VHH特有のFR2残基の導入によって、ヒトフレームワークを持つVHH遺伝子座を構築する仕組み、およびハイブリドーマ法、単一B細胞ソーティング、ファージディスプレイによるリード抗体の取得方法。
- HUGO-Nano™の比較: ラクダ科動物由来VHH、ヒトVHげっ歯類プラットフォーム、ラクダ科動物VHHマウスプラットフォーム、HUGO-Nano™について、ヒト化の必要性、免疫原性、開発適性、エピトープへのアクセス性、リード抗体取得までの期間、知的財産上の位置付けを比較します。
- 検証データ: 幅広い生殖細胞系列遺伝子の利用と多様なCDR3長を示すV(D)Jシーケンス解析、野生型マウスと同等の免疫細胞集団を示すフローサイトメトリー解析、難標的に対する血清抗体価、ならびに複数のナノボディ候補のELISAおよびFACS結合データ。
- 開発適性と応用フォーマット: 熱安定性(DSFによる融解温度が60°C超、40°Cで14日間安定)に加え、二重特異性抗体、T細胞エンゲージャー、ADC、CAR-T、放射性リガンドおよび分子イメージング剤、血液脳関門(BBB)通過型コンストラクトへのVHHの応用例。
- 利用方法と知的財産: マウスモデルの利用、HUGO-LAb™抗体ライブラリーへのアクセス、またはカスタム探索・開発の委託という選択肢、および中国、米国、日本、欧州を対象とした実施自由(FTO)評価。
対象者
- 新規プログラムに向けて単一ドメイン抗体の取得源を評価している、抗体探索研究者およびプラットフォーム責任者。
- 小型の結合ドメインを必要とする二重特異性・多重特異性抗体、T細胞エンゲージャー、ADCを設計するタンパク質エンジニア。
- CAR-Tの標的結合ドメインやその他の遺伝子改変細胞療法を設計する細胞・遺伝子治療研究者。
- 組織への速やかな浸透と迅速なクリアランスを示す結合分子を必要とする放射性医薬品・分子イメージングの研究チーム。
- 受容体介在性の血液脳関門通過送達に取り組む神経科学および中枢神経系(CNS)領域の創薬研究者。
- ナノボディ開発パイプラインにおけるプラットフォーム利用、ライセンス、実施自由を評価するバイオテクノロジー・製薬企業のプロジェクト責任者。
主な学習目標
- ラクダ科動物由来VHH、ヒトVHげっ歯類プラットフォーム、ラクダ科動物VHHマウスプラットフォームの強みと限界、それぞれの課題を比較・理解する。
- ラクダ科動物由来FR2残基を備えたヒトVHH遺伝子座が、ヒト配列の低い免疫原性を維持しながら、ラクダ科動物VHHに類似した可溶性、安定性、単一ドメインのフォールディング特性を実現する仕組みを理解する。
- HUGO-Nano™の探索ワークフローが、標準的なマウス免疫とin vivo親和性成熟を利用し、ヒト化工程を経ずにエンジニアリングに適したリード抗体を取得する方法を学ぶ。
- レパートリーの多様性、免疫細胞プロファイリング、難標的に対する血清抗体価、精製タンパク質および細胞に対するナノボディ候補の結合性に関する検証データを確認する。
- HUGO-Nano™由来の結合分子を、二重特異性抗体、T細胞エンゲージャー、ADC、CAR-T、放射性リガンド複合体、BBB通過型コンストラクトに応用する方法を理解する。
- モデル利用、ライブラリー利用、カスタム探索の各提供形態から、自社の開発パイプラインと知的財産戦略に最適な選択肢を見極める。
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