Application of Toll-Like Receptors (TLRs) Animal Models in Cancer and Autoimmune Disorders


目次
01 Toll-like receptors (TLRs) の概要 02 ヒトとマウスの免疫の違い 03 TLR4はヒトとげっ歯類で高い保存性を示す 04 研究サポートとカスタムマウスモデルToll-like receptors (TLRs) の概要
Toll-like receptors (TLRs) は、感染に対する哺乳類の自然免疫応答において重要な役割を果たす膜貫通タンパク質の一群です。一般的に、TLRs は侵入した細菌やウイルス由来の構造的に保存された分子、いわゆる病原体関連分子パターン(PAMPs)を認識します。PAMPs を発現細胞が認識することで、宿主内での病原体排除に必要な急性応答が引き起こされます。TLRs は、シグナル伝達に不可欠な細胞内領域として、toll/インターロイキン-1(IL-1)受容体類似(TIR)ドメインを有しています。また、細胞外にはロイシンリッチリピート(LRR)ドメインを有しています。
TLRs はヒトとマウスの両方でよく保存されており、少なくとも11のメンバーから成ります。過去数十年にわたり、動物モデルを用いた免疫応答におけるTLRシグナル伝達の研究が精力的に行われてきました。TLRs が自己免疫疾患、慢性炎症性疾患、感染症の病態に関与していることが知られています。さらに、TLRs は代謝疾患やがんの発生にも関与している可能性が示されています。たとえば、TLRs の主要なアダプター蛋白質であるMyd88 は、RAS-MAPK シグナルや細胞周期制御、細胞形質転換において重要な役割を果たします。また、Myd88 の下流にあるNF-κB シグナル経路は、慢性炎症とがん発生を結びつける可能性があります。
ヒトとマウスの免疫の違い
マウスは依然として生体内での免疫学的研究の基盤を成していますが、両種がヒトと分岐してから6,500万年以上にわたる独立した進化により生じた遺伝的違いを考慮することが重要です。このような種特異的な違いを適切に理解することで、マウス由来のデータをヒトに拡大解釈する際の限界を把握する手助けになります。ヒトとマウスの免疫系の全体的な構造は非常に似ていますが、細胞分布やタンパク質発現、その他の表現型的特徴において、進化的な相違を反映した変動が見られることがよくあります。たとえば、ヒトの血液は好中球が豊富ですが、マウスの血液は主にリンパ球で構成されています。また、ヒトは最大でマウスの寿命の50倍にあたる期間、多数のB細胞およびT細胞を維持する必要があります。
多発性硬化症(MS)に関する過去の研究は、ヒトとマウスの免疫学における類似点と相違点の明確な例を示しています。実験的自己免疫脳脊髄炎(EAE)は、MS をモデル化するために広く用いられており、中枢および末梢神経の脱髄を模倣します。以前のマウス研究では、IFN-γ が保護的因子であるとされていましたが、臨床試験では IFN-γ による治療が疾患を悪化させたため中止を余儀なくされました。一方、マウス研究では VLA-4(α4β1インテグリン)とVCAM-1の相互作用を遮断することでMSの症状が軽減されることが判明し、これは最終的に成功したヒト臨床試験へとつながり、ナタリズマブという疾改良治療薬のFDA承認に至りました。
TLR4はヒトとげっ歯類で高い保存性を示す
最近の研究により、TLR4 遺伝子は哺乳類種にわたり非常に保存されていることが示されています。これは特に細胞内TIRドメインにおいて顕著であり、類似したシグナル伝達経路が存在する可能性を示唆しています。一方で、TLR4 の細胞外ドメインについては、種特異的な適応が進んでおり、急速に変化する微生物環境に対応し、異なるリガンドに結合する必要があるため、差異が見られることがあります。
ここでは、ヒトとげっ歯類における TLR4 遺伝子、アミノ酸配列、発現パターン、機能性の類似点・相違点について考察します。マウスの TLR4 遺伝子は3つのエクソンからなり、それぞれがヒト遺伝子の相同配列に対応しています。げっ歯類とヒトの TLR4 配列は、ヌクレオチドおよびアミノ酸レベルで高い相同性を示しますが、TLR4 遺伝子座自体はマウス株によってわずかな遺伝的変異を示します。TLR4 の発現は、ヒト・マウスともに骨髄系に由来する細胞で最も高くなります。また、リンパ様細胞にも発現が認められます。ヒトとマウスの中枢神経系(CNS)における発現には差があり、マウスではミクログリアでのみ TLR4 が発現し、アストロサイトやオリゴデンドロサイトでは発現しません。TLR4 の機能はヒト・マウスモデルで広範にわたり、NF-κB シグナル経路に加えて、心血管疾患との関連も指摘されています。現在では、cKO、マーカータグ付きノックイン、コンディショナルポイントミューテーションモデルなど、より複雑なマウスモデルを用いて TLR の役割が再検討されています。
研究サポートとカスタムマウスモデル
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