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治療用抗体はどう有効に研究開発すればいいでしょう?

Cyagen Technical Content Team | June 09, 2021
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目次

目次

01 抗体医薬品の研究開発背景と傾向 02 治療用抗体の発展はどのような歴史的段階を経験してきたか 03 将来の治療用抗体における研究開発の発展傾向

抗体医薬品の研究開発背景と傾向

現在、治療用抗体は腫瘍などのヒト疾患を治療するための主たる医薬品になっています。遺伝子編集技術の継続的な発展と改善に伴い、表現型ヒト化抗体遺伝子モデル技術プラットフォームの構築は、治療用抗体医薬品の研究開発における画期的な革新だけでなく、治療用抗体の医薬品としての研究開発およぼその臨床における幅広い応用も推進しています。これまで25年間のあいだに、抗体治療は臨床において腫瘍をはじめとする多くのヒト疾患を治療するための重要な方法になっています。特に2018年から2019年までの一年間において、臨床上の使用が承認された治療用抗体の新医薬品は約18個ありました。

治療用抗体の発展はどのような歴史的段階を経験してきたか

19世紀末、研究者たちは最初に、ジフテリア抗毒素の抗血清に抗微生物作用があるのを証明したことにより、抗微生物汚染のために新たな視点を提供しました。1901年、ドイツの微生物学者であるベーリング氏は、ノーベル生理学・医学賞を受賞した第一人者となりました。1975年にハイブリドーマ技術の画期的な成功では、雑種細胞によるモノクローナル抗体の無限発生が可能となりました。ハイブリドーマ技術の確立は、治療用抗体医薬品の研究開発分野における関心を引き出しました。

ムロモナブ-CD3

1986年、初めてFDAに承認されたマウス由来ムロモナブ-CD3(Orthoclone OKT3)は、臓器移植の急性拒絶反応を抑えるための治療に使用されていました。ただし、当該マウス由来抗体は毒性が強く、半減期が短いため、2011年に市場から撤退しなければなりませんでした。

キメラ抗体

1994年、初めてのキメラ抗体である抗GPIIb/IIIa抗体と抗原結合フラグメント(Fab)が承認され、主に血小板凝集の抑制に関する心血管疾患の治療に使用されていました。このキメラ抗体はマウス抗体の可変領域とヒト化抗体の定常領域を結合することにより、研究開発されたものです。1997年、腫瘍を治療する初めてのキメラ抗体である抗CD20が承認され、非ホジキン(Hodgkin)リンパ腫に治療に使用されていました。

ヒト化抗IL-2受容体

1997年、初めてのヒト化抗IL-2受容体が承認され、臓器移植の急性拒絶反応を抑えるための治療に使用されていました。ヒト化抗体の研究開発は、一部疾患(例えば腫瘍と自己免疫疾患等)の抗体医薬品による長期的治療が可能となりました。1998年に承認され、腫瘍を治療するヒト化抗HER2抗体(Herceptin)は、ヒト表皮成長因子2(HER2)陽性転移乳癌と食道胃接合部腺がん患者の治療に使用されていました。

全ヒト化抗体が承認され

2002年、初めての全ヒト化抗体が承認され、抗腫瘍壊死因子α(TNF-α) 抗体は、ファージディスプレイ技術により構築された全ヒト化抗体であり、主に関節リウマチの治療に使用されていました。現在、その臨床応用は強直性脊椎炎、乾癬、炎症性腸疾患と潰瘍性大腸炎等の疾患に広がっています。アッヴィ社が研究開発した抗TNF-α抗体 (Humira)は、現在抗体医薬品市場における売上1位の高分子医薬品だけでなく、2019年世界中における医薬品売上1位となりました。2006年、ヒト化抗体遺伝子マウス(XenoMouse)プラットフォームにて研究開発された初めての全ヒト化抗EGFR抗体が承認され、さまざまな腫瘍の治療に使用されていました。

ヒト化抗PD1抗体

ここ数年、免疫チェックポイントに関する分子は腫瘍免疫治療の研究開発分野に関心を寄せられ、重視されています。2011年、免疫チェックポイントCTLA-4に対する初めての全ヒト化抗体(Yervoy)は、ヒト化抗体遺伝子マウスHuMabMouseプラットフォームにて研究開発されたものです。2014年、免疫チェックポイントCTLA-4に対する全ヒト化PD1抗体(Opdivo)とヒト化抗PD1抗体(Keytruda) が相次いで承認されました。現在、この二種類のヒト化抗体は悪性黒色腫、非小細胞肺がん、頭頸部がん、ホジキンリンパ腫と腎臓がん等の治療に使用されています。腫瘍を治療する抗体の「スター」医薬品として、この二種類の抗PD1抗体は、2018年世界中抗体医薬品売上の2位と3位となり、2019年世界中医薬品売上のランキングにそれぞれ6位と3位になりました。

治療用抗体

治療用抗体は現在製薬市場における売上最高位の医薬品となっています。今までは、世界中の生物医学企業が展開した治療用抗体の臨床試験は570以上あり、うち約80の抗体の臨床応用がFDAに承認され、腫瘍治療用抗体が30個含まれています。現在、治療用抗体市場は主に腫瘍(~40%)、自己免疫疾患(~25%)、遺伝子疾患(~7%)、感染症(~6%)、心血管疾患(~4%)と血液疾患(~4%)等のヒト疾患の治療に集中しています。2018年のデータによると、世界中売上前10位の医薬品には抗体医薬品が8個あり、世界中治療用抗体医薬品の市場価値は1152億米ドルに達しており、2019年末までに売上が1500億米ドルに、2025年に3000億米ドルに達する見込みです。

現在、抗体医薬品の市場占有率について、主にはジェネンテック (30.8%)、アッヴィ (20.0%)、 ジョンソン・エンド・ジョンソン (13.6%)、ブリストル・マイヤーズ スクイブ (6.5%)、メルク・アンド・カンパニー (5.6%)、ノバルティス (5.5%)、アムジェン (4.9%)等7社の生物医薬企業に主導され、その他企業が約13%を占めています。

ヒト化抗体の研究開発は、抗体の臨床耐性を大幅に向上し、治療用抗体の幅広い臨床応用のために道を切り開きました。現在承認された治療用抗体の中、抗体のヒト化程度により分類され、例えば全ヒト化抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体とマウス由来抗体、その比率はそれぞれ51%、34.7%、12.5%と2.8%です。

将来の治療用抗体における研究開発の発展傾向

治療用抗体分野には大きな発展と応用潜在力があります。従来の意味では、抗体医薬品は主に腫瘍、自己免疫疾患と感染症等の臨床治療に応用されます。一部の特異タンパクまたは分子が一部の特別疾患の病原性メカニズムに関与する分子メカニズムを明らかにできれば、より応用範囲が広く、有効的で特異的な治療用抗体の研究開発に役立ちます。

将来治療用抗体に対する研究開発の発展傾向は主に二種類に分けられます:第一種は直接に疾患の治療に応用される、いわゆる裸抗体(naked antibody)です。例えば、腫瘍の治療用抗体はADCC/CDC等関連経路を介することにより、腫瘍細胞を直接に攻撃し、細胞のアポトーシスを引き起こし、または腫瘍細胞の成長微環境あるいは免疫チェックポイント分子等を攻撃します。この抗腫瘍の中、抗体はナチュラルキラー細胞またはその他免疫細胞を募集し、腫瘍細胞の消滅を果しています。

第二種の抗体医薬品は抗体に対し更に加工・改変することにより、その疾患治療の価値を増加する目的を果しています。一般的に応用されている抗体改変方法と策略には、抗体-免疫細胞因子の結合、抗体-化学薬品のコンジュゲート、抗体-放射性核種の抱合体、二重特異性抗体、免疫リポソーム、とキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法等が含まれます。抗体-免疫細胞因子の結合は、抗体と特定の細胞因子との結合により、細胞因子伝送の特異性を強化することを目的とします。抗体-化学薬品のコンジュゲートは、特異性による腫瘍標的識別可能な抗体と小分子医薬品との結合により、小分子医薬品作用の特異性と有効性を増加し、非標的細胞に対する毒性作用を減少しています。抗体-放射性核種の抱合体は、放射線療法の腫瘍に対する治療作用を増加してます。

最近、二重特異性抗体は抗体治療に吸引力のある新しい策略と機会を提供しています。二重特異性抗体はタンパク質工学にて、二つの抗原結合領域(例えばFabs/scFvs)を接続することにより、一つの抗体で二つの異なる抗原を同時に識別することができます。そのため、遺伝子編集技術にて、従来二つの抗体が単純に結合体になることでなく、一つの抗体は、疾患治療の新しい機能を果しています。多くの二重特異性抗体の設計策略は、免疫系における病原標的となる二つの毒性細胞の結合に基づき設計されたものです。現在、臨床応用に入った二重特異性抗体は二つあり、一つは標的CD3とCD19抗体に対するB細胞急性リンパ性白血病(ALL)を治療するものであり、もう一つは活性化血液凝固 IX 因子とXに対する二重特異性IgG抗体であり、 血友病Aの治療に使用されています。同時に、臨床応用に入った二重特異性抗体は約85個あり、約86%の二重特異性抗体は抗腫瘍の治療効果があると評価されています。

最初の段階では、治療用抗体に対する研究開発は抗体の結合、機能と薬品特徴をどう向上するかという臨床応用に集中していました。例えば、どのように抗体の可変領域やヒト化程度およびその親和性や成熟を向上するか、または治療効果の異なる抗体フラグメント(FabとscFv) を研究開発する等。その後、これらの研究開発はどのように抗体のFc機能を改善するかに転向しました。例えば、どのように抗体のADCC、ADCP(抗体依存性細胞貪食)、CDC、または不活化Fc機能等。抗体Fc工程は抗体特異性の活性を強化し、その有効期間を延長するための重要なツールとなり、抗体医薬品の用量と潜在的な副作用を減少する役割を果しています。

また、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、抗体とT細胞と結合するもう一つの技術応用です。T細胞が特異性目的を標的することにより、腫瘍細胞を破壊する目的を果たします。CAR-T細胞は、抗体可変領域(例えばscFv) とT細胞の活性化に関する分子を結合することにより、構築されたものです。2017年、初めてのCAR-T細胞治療医薬品はFDAに承認され、臨床にて急性リンパ性白血病(ALL)および成熟大細胞型B細胞リンパ腫の治療に使用されていました。

単独B細胞からヒト化抗体を分離・スクリーニングするのも現在抗体の研究開発における新しい傾向となり、感染症治療に対する新たな研究分野になるかもしれません。EBVトランスフェクションによるB細胞の不死化等でヒト化抗体技術を研究開発するメリットは、少量のヒト末梢血液細胞があれば、潜在的で効力的なヒト化抗体の快速分離と複製ができます。例えば最近現れた新型コロナウィルス感染症等、新型病原因子の危険に面して、免疫性または多様性のある抗体ライブラリの快速的な研究開発には現実的な意味があります。単独B細胞選別技術はこの研究開発目的を実現する最も理想的な選択肢です。現在、単独B細胞の応用で抗ウィルスのヒト化抗体が研究開発されました。例えば、抗デング熱ウィルス、抗ジカウイルス、抗エボラウイルス、抗HIVウィルスと抗RSウイルス(RSV)のヒト化抗体。このうち多くのヒト化抗体は現在それぞれ段階(I/II/III相)の臨床試験に入っています。

しかし、今まではFDAに承認され、単独B細胞技術により研究開発されたヒト化抗体は臨床応用に入ったものがなく、この技術はまだ関連課題を克服しなければなりません。例えば、抗原標識技術、選別抗原配置、および複製抗体プライマー設計等。新世代NGSシークエンシング技術、新診断、薬物動態学の応用と臨床治療における進展にあわせ、単独B細胞技術によるヒト化抗体の研究開発は非常に有力なツールとなり、希少な特徴のある治療用抗体を探求し発見し、将来的に新世代治療用抗体研究開発の設計ニーズと目標を満足します。

ここ数年、臨床上で複数の抗体組合を応用する策略(HAART療法)による疾患治療も、抗体により一部の特別疾患を治療する発展傾向と考えられます。このいわゆるHAART療法は、最初は主に腫瘍または感染症等において、同じ標的で抗原決定基の異なる策略に基づきました。この療法は、抗体用量の潜在的な減少に有益なものであるとともに、複数抗体の協同作用を強化することにより、疾患治療の有効性と安全性を向上する目的を果しています。そのため、HAART療法の研究開発は、特異性があり、品質が制御可能で、副作用が少ないという各抗体のメリットを発揮する同時に、複数抗原結合の遺伝子座が多く、親和性が強く、エスケープ可能性が低いという長所を両立させるため、ヒト化抗体医薬品の研究開発に有効な補充になっています。

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