免疫治療の人気標的CTLA-4


目次
01 CTLA-4とは 02 CTLA-4の機能と免疫チェックポイントとしての役割 03 CTLA-4を標的とした抗体医薬 04 CTLA-4ヒト化マウスモデルの研究応用 05 腫瘍モデルと薬効評価プラットフォームCTLA-4とは
遺伝子は多くの人類疾患の内因性要素であり、病気に関する遺伝子の研究は生命医学研究分野の主流である。病気に関する遺伝子及びこれらの遺伝子の概況をどのように迅速に把握するか?大量の文章を読み情報を収集し、スクリーニングするのは本当に時間と体力が必要である。そのため、サイヤジェン株式会社の新たなコラム「Gene of the Week」が毎週オンラインで情報を紹介することになりました。研究者様が毎週遺伝子を1つ把握させるために、毎週遺伝子を1つご紹介します。少しでもお役に立てたのであれば幸いです。
本日ご紹介するのは経典的免疫チェックポイントタンパク-CTLA-4です。
CTLA-4(細胞毒性Tリンパ球抗原4であり、CD152ともいう)は免疫グロブリンファミリーのメンバーであり、マウスの体内ではCtla-4遺伝子によってコードされ、人体内ではCTLA 4遺伝子によってコードされた一種の膜貫通タンパクであり、主に活性化されたT細胞表面で発現している。特に、調節性T細胞(Treg)では構成的発現している。
CTLA-4の機能と免疫チェックポイントとしての役割
CTLA-4は先週言及したCD28と高度同源性があり、しかもそれらは同じリガンドのCD80(B7-1ともいう)とCD86(B7-2ともいう)を持っているが、それらの機能は正反対である。CD28は、共刺激性(co-stimulatory)免疫チェックポイントに属し、T細胞に活性化信号を伝達し、T細胞の分化を促進し、効果細胞に増殖する。CTLA-4は、共抑制性(co-inhibitory)免疫チェックポイントに属し、T細胞に制御信号を伝達し、T細胞の活性を抑制する。特に、CTLA−4はCD80/CD86との親和性はより高く、CD28のT細胞への活性化作用を競合して阻止することができる。
図1. CTLA−4は1種の膜貫通タンパク[1]であり、CD28と同じリガンドのCD80(B7−1)およびCD86(B7−2)を有する。CTLA−4はCD80/CD86との親和力はより高く、CD28とそのリガンドとの結合を競合して遮断することができ、CD28のT細胞への活性化作用を抑制する。
このほか、共抑制性免疫チェックポイントPD-1と違って(腫瘍細胞はそのリガンドのPD-L1とPD-L2を高発現することによって免疫逃避を実現する)、CTLA-4のリガンドのCD80/CD86は主にAPCの表面に発現しているが、多くの腫瘍組織や細胞で低発現または発現しない。
CTLA-4を標的とした抗体医薬
経典的免疫チェックポイントタンパクとして、CTLA-4にターゲットする抗体医薬の研究が人気である。しかし、現在米国FDAが発売を承認したCTLA-4免疫チェックポイント抑制剤はIpilimumab(イピリムマブであり、商品名はYervoyであり、Y薬ともいう)の一つだけである。Ipilimumabはブリストル・マイヤーズ スクイブ(Bristol-Myers Squibb,BMS)が開発され、末期の転移性黒色腫を治療するのに用いる。
また、もう一つ言及する価値があるのはアストラゼネカ(AstraZeneca)が開発したCTLA-4にターゲットする候補薬のTremelimumab(トレメリムマブ)である。この候補薬の臨床研究は非常に複雑である。2015年、FDAから悪性中皮腫(malignant mesothelioma、MM)を治療する孤児薬の地位を授与された。2017年、III期臨床研究MYSTICの失敗を発表した。2019年、III期臨床研究NEPTUNEの失敗を発表した。2020年2月、FDAから肝細胞癌(Hepatocellular carcinoma, HCC)を治療する孤児薬の資質を授与された。同年3月、別のIII期臨床研究DANUBEの失敗も発表した。2021年に良い知らせを聞いて、腫瘍患者たちに新たな希望をもたらすことを心から願っています。
このほか、最近流行しているCTLA-4免疫抑制剤の作用メカニズムも挑戦されている。
図2. 現在流行しているCTLA-4免疫抑制剤の作用メカニズム:CTLA-4免疫チェックポイントを遮断することにより、抗腫瘍免疫効果を引き起こした。T細胞の活性化は二重信号が必要である。信号1は、APCの抗原-MHC複合体とT細胞のTCRとの結合に由来する。信号2は、APCのB7分子(CD80またはCD86)とT細胞の共刺激性受容体CD28との結合に由来する。活性化したT細胞はその細胞表面でのCTLA−4の発現を向上する。一方、共抑制性受容体CTLA−4は、CD80/CD86との親和性がより強く、CD28とリガンドのCD80/CD86を競合し、T細胞の活性を抑制し、T細胞の活性化に「ブレーキ」を踏む。抗CTLA-4抗体は、初期T細胞に対する「ブレーキ」を緩め、リンパ節で活性化させ、腫瘍部位に移動して腫瘍細胞を殺傷すると考えられている。
図3. 新たなCTLA-4免疫抑制剤の作用メカニズム:腫瘍微環境の調節性T細胞(Treg)を選択的に除去することにより、抗腫瘍免疫効果をもたらす。腫瘍で、調節性T細胞は高レベルのCTLA-4タンパク質を発現するので、抗CTLA-4抗体はマクロファージが介した抗体依存性細胞によって介した呑噬作用(Antibody-dependent cellular phagocytosis、ADCP)、またはNK細胞が介した抗体依存細胞毒性(Antibody-dependent cellular cytotoxicity、ADCC)を通じて、Tregを選択的に除去するかもしれない。CTLA-4とそのリガンドのCD80/CD86との結合を遮断することは、腫瘍のTregを効果的にクリアするのに必須ではない。
以上のように、CTLA-4タンパク質はT細胞の活性を抑制する上で重要な役割を果たしている。その免疫抑制剤は現在発売されている3種類の免疫チェックポイント抑制剤の一つ(他はPD-1とPD-L1免疫チェックポイント抑制剤である)である。また、これらの薬物は適応症を拡大し、他の腫瘍免疫薬物と併用して治療効果を高める(例えば、CTLA-4抗体とPD-1抗体の連合免疫療法、CTLA-4抗体とIL-13 Rα2を標的とするCAR-T細胞連合免疫療法)が、CTLA-4免疫抑制剤の具体的な作用メカニズムについてはさらなる研究が必要がある。
CTLA-4ヒト化マウスモデルの研究応用
バックグラウンド:C57BL/6N
品系作製策略:
マウスゲノムのCtla-4遺伝子部位に人のCTLA-4細胞外ドメインをノックインすることにより、このヒト化モデルをa)キメラ型Ctla-4タンパク(人の細胞外ドメインとマウスの細胞内ドメイン)とb)可溶性キメラタンパク(人の細胞外ドメイン)を発現させる。
品系の説明:
- CTLA-4遺伝子の細胞外ドメインは完全にヒト化された。
- hCTLA-4はマウスの体内で正常な生理発現と調節モードを持っている。
- マウスCTLA-4の細胞内ドメインを保留した。正常な細胞内の信号伝達を保証される。
- マウスの免疫機能は健全である。
- マウスの標的遺伝子の発現を欠けているため、交差反応が避けられる。
研究の応用:
hCTLA-4マウスは免疫系の機能が健全なマウスの体内でヒト免疫チェックポイントCTLA-4に対して免疫腫瘍薬物の体内効果評価と分析を行うことができる。
また、サイヤジェン株式会社にコンディショナルノックアウトCTLA-4マウスの作製を委託し、薬物への標的性と毒性に対して組織特異性を評価することができる。
モデル検証:
図4. CTLA-4マウスは各種の免疫細胞(T細胞、B細胞、NK細胞、DC細胞、単核細胞)とWTマウスの各種の免疫細胞の割合が近くて、免疫細胞の機能は正常である。
図5. hCTLA-4の機能:α-human CTLA-4のモノクローナル抗体が低減する。hCTLA-4マウスTregは効果T細胞を抑制する。分離したCD4+CD25-T細胞(効果T細胞)をCFSEでマークし、可溶性αmCD3とAPC+/-(CD4+CD25+)TregとCTLA-4抗体で活性化する。(A)フローサイトメトリーでCFSS希釈を検出し、(B)ELISAにより上清液でIL-2の発生を測定する。
図6.hCTLA-4はhCTLA-4マウスの体内での発現パターンは、野生マウスのmCTLA-4の発現パターンと一致している。hCTLA-4とmCTLA-4はαCD3で活性化された脾臓細胞での発現状況: hCTLA-4マウスモデルと野生型マウスは(A)Treg亜群(CD3+CD4+CD25+Foxp3+)、(B)従来のCD4+(CD3+CD4+)、(C)CD8+(CD3+CD8+)T細胞を発現する。
図7. CTLA-4ヒト化マウスにおいて、CTLA-4モノクローナル抗体(Ipilimumab)は抗腫瘍活性を有する。
腫瘍モデルと薬効評価プラットフォーム
サイヤジェン腫瘍モデルと薬効評価プラットフォーム
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