前編では中枢神経系(CNS)を取り上げ、TfR1が重要な送達入口となることを紹介しました。骨格筋と心筋では、TfR1は小核酸医薬の筋組織への取り込みと細胞内送達効率を高める役割を担います。続けて読む場合は、前編「肝外小核酸①:CNS編」をご覧ください。

骨格筋は、抗体-オリゴヌクレオチド複合体(Antibody-Oligonucleotide Conjugate、AOC)が比較的早い段階から詳しく臨床検証されてきた領域でもあります。2026年2月、NovartisはAvidity Biosciencesの買収を完了しました。完全希薄化後の株式価値は約120億米ドルで、AOCプラットフォームと後期開発段階にある神経筋疾患向け3プロジェクトが中核資産に含まれます[1]。ただし、プラットフォームの価値がすべてのパイプラインの臨床目標達成を意味するわけではありません。2026年9月、DMPKを標的とする1型筋強直性ジストロフィー(DM1)治療薬del-desiranの第III相HARBOR試験は主要評価項目を達成できませんでした。一方、3週間後、Dyneが開発する同じくDMPKを標的としたz-basivarsenでは、第I/II相ACHIEVE試験の1年追跡データが公表され、手指の筋強直および複数の機能指標で改善シグナルが引き続き観察されました[2,3]。

Dyneが発表したz-basivarsen(DYNE-101)の1年追跡結果とDM1の手指筋強直・機能評価指標。
図1. DM1治療薬z-basivarsen(DYNE-101)では、手指の筋強直および複数の機能指標で改善シグナルが引き続き観察された。

送達競争は心筋領域にも広がっています。2026年10月27日、Avidityの心臓領域事業から分社化したAtrium Therapeuticsは、心臓標的RNA医薬ATR 1072について、PRKAG2症候群患者へのCorventis第I/II相試験で最初の投与を行ったと発表しました[4]。これに先立ち、BayerはSouffléとグローバル提携を結び、拡張型心筋症を対象とする心筋細胞選択的siRNA療法を開発しています[5,6]。

Soufflé Therapeuticsの抗体介在型送達プラットフォームと標的組織。
図2. Soufflé Therapeuticsは、抗体を介して複数の筋組織を標的とする送達プラットフォームを展開している。

これらの進展は、骨格筋小核酸医薬の研究開発が「薬剤を送達できるか」の検証だけではなくなったことを示しています。送達効率、細胞選択性、薬効の持続性、臨床評価項目が成否を左右し始めています。心筋送達も同様の道筋をたどり、急速に臨床へ進んでいます。本稿では「送達入口—治療標的—検証モデル」の順に、骨格筋・心筋を対象とする小核酸医薬の開発動向を整理します。

2025年から2026年にかけての骨格筋・心筋小核酸送達分野の臨床、事業提携、資金調達のタイムライン。
図3. 2025~2026年における骨格筋・心筋小核酸送達分野の主な臨床、事業提携、資金調達の動向。

1. 送達の入口:TfR1の先へ、受容体選択は多様化し組織特異性へ

小核酸医薬を骨格筋へ届ける際の課題は、血流灌流よりも筋線維によるオリゴヌクレオチドの有効な取り込みが限られる点にあります。TfR1は骨格筋細胞表面で比較的高く発現し、エンドサイトーシスを介するため、AOCなどの筋肉送達技術で初期から用いられてきました。一方、複数の組織に発現するため、この受容体だけでは組織を十分に選別しにくい課題があります。TfR1を標的とする各社のモジュールはサイズも異なり、Avidityは全長抗体、DyneのFORCE™はFab、Aro Biotherapeuticsは約10 kDaのCentyrin™タンパク質足場、Bicycle Therapeuticsは二環性ペプチドを採用しています[12—14]。違いはサイズだけではありません。結合価、親和性、内在化後の輸送経路、搭載できるオリゴヌクレオチド量、各組織のTfR1発現量は、骨格筋・心筋の曝露量や全身薬物動態に影響する可能性があります。競争の焦点は「筋肉に入るか」から、「どのような組織分布、曝露量、治療域で届けるか」へ移っています。TfR1などを標的とするヒト化モデルは、受容体認識と送達性の評価に活用できます。

TfR1標的の筋肉向け小核酸送達技術に用いられる抗体、Fab、Centyrin、二環性ペプチドの比較図。
図4. TfR1を標的とする筋肉向け小核酸送達プラットフォームと分子形式の例。

TfR1の先へ:組織選択性が新たな競争軸に

TfR1-AOCの臨床検証が進むにつれ、より高い組織・細胞選択性を持つ受容体を探るプラットフォームが増えています。CACNG1、αvβ6インテグリン、CD29/ITGB1、GLP1Rは、それぞれ異なるアプローチを示しています。

TfR1、CACNG1、インテグリンαvβ6、CD29、GLP1Rを用いた骨格筋・心筋送達戦略の比較表。
図5. 骨格筋・心筋への小核酸送達で検討されている主な標的とプラットフォームの比較。

CACNG1:送達対象を骨格筋に絞る。CACNG1は骨格筋の興奮収縮連関に関与し、骨格筋で高く発現しています。Regeneronの特許では、抗ヒトCACNG1抗体がCACNG1ヒト化マウスの複数の骨格筋に分布し、肝臓・腎臓・脾臓などではシグナルが低いことが示されました[7]。骨格筋だけを介入対象とする疾患では、この選択性が治療域の拡大につながる可能性があります。したがって前臨床評価では、骨格筋中の薬物濃度や標的遺伝子のノックダウンに加え、心臓・肝臓・腎臓などの曝露量と薬効も同時に比較する必要があります。ヒト化モデルの作製・選定については、ヒト化モデルのカスタム作製サービスもご覧ください。

αvβ6インテグリン:初期のヒトデータが得られた標的。SareptaとArrowheadが共同開発するSRP-1001およびSRP-1003は、αvβ6を標的とする送達技術を採用し、それぞれ顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー1型(FSHD1)とDM1を対象としています。2026年3月に公表された第I/II相の初期データでは、siRNAの筋肉曝露に用量依存性が認められ、初期バイオマーカーの変化も観察されました。10月に公表されたSRP-1003の前臨床データでは、細胞核・細胞質の双方でDMPK RNAが最大約80%ノックダウンされ、単回投与後も複数の筋群でノックダウン効果が16週間持続しました[8,9]。

αvβ6リガンド標的化とリンカー設計を含むSRP-1003 DMPK siRNAの模式図。
図6. αvβ6リガンドを介して送達するDMPK標的siRNA候補SRP-1003。

CD29/ITGB1:複数組織へ送達する入口。IonisはWO2025006955で、CD29を標的とするオリゴヌクレオチド送達戦略を開示しました。CACNG1とは異なり、CD29は複数の組織で発現し、特許では骨格筋、心臓、肺、脂肪、消化管が扱われています[10]。リガンド、親和性、用量、分子形式を調整し、各組織への薬剤分布比をどのように制御するかが重要な課題です。

心筋受容体:GLP1Rと未公開の送達標的。ArrowheadはWO2026030212で、GLP1Rリガンドを用いてRNAiなどのオリゴヌクレオチドを心筋細胞へ送達する戦略を開示しました[11]。特許データでは、小分子GLP1Rリガンドを結合したSOD1 siRNA(SOD1は検証用標的)が、ラット心臓で持続的かつ用量依存的な遺伝子ノックダウンを示しています。Soufflé TherapeuticsのREMEDY™プラットフォームは、内在化可能な細胞特異的受容体を探索し、モノクローナル抗体などの結合分子を開発してオリゴヌクレオチドを送達します。同社は2026年10月に1億3,500万米ドルのシリーズB資金を調達し、FSHD、心不全、筋・代謝疾患のプログラムを推進しています。MCR-1、CR4、MR3の各プラットフォームは横紋筋、心筋細胞、骨格筋をそれぞれ対象としますが、具体的な受容体は公表されていません[5]。

GLP1Rリガンド結合SOD1 siRNAの投与量に応じたラット心臓内SOD1 mRNA低下データ。
図7. GLP1Rリガンド結合SOD1 siRNAによるラット心臓での用量依存的な遺伝子ノックダウン。

2. 治療標的:DMDからDMPKへ、骨格筋パイプラインの臨床結果が分岐

Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)、DM1、FSHDなどは遺伝学的な発症機序が明確で、異常RNA、スプライシング異常、病原性タンパク質の発現が発症に直接関与します。そのため、ASO、siRNA、PMOなどの小核酸技術が重点的に検討されています。骨格筋領域ではDMD、DMPK、DUX4、GYS1、PABPN1などの疾患標的に加え、筋成長抑制経路のMSTN/GDF8とACVR2A/Bが研究されています。心筋領域ではPRKAG2、MYBPC3、PLN、RBM20、ATP2A2/SERCA2Aなどが進められています。小核酸医薬の前臨床評価サービスでは、標的ノックダウンからin vivo薬効評価までを支援します。

DMD:エクソンスキッピングの有効性は示された一方、PMOの筋肉取り込みは依然として制約。eteplirsen、golodirsen、viltolarsen、casimersenなどのPMO医薬品は、小核酸によるDMD転写産物への介入が可能であることを示しました。一方、従来型PMOが筋細胞へ取り込まれる効率には限界があります。そのため次世代の開発では、より多くの薬剤を多くの筋群へ届け、心筋もカバーすることが目指されています。Avidityのdel-zotaやDyneのDYNE-251などがその例です。この種の分子を前臨床評価する際には、送達側と治療側の双方について種差を考慮する必要があります。

DMPK:送達の成功は臨床的な成功と同じではない。DM1はDMPK遺伝子のCTG反復配列の伸長によって生じます。異常RNAは核内でRNA fociを形成してMBNLタンパク質を捕捉し、スプライシング異常を引き起こします。このRNAを介した病態機序により、DMPKは肝外送達プラットフォームの比較検証における「試金石」となっています。Avidity、Dyne、PepGen、Vertex、Sarepta/Arrowheadは、それぞれAOC、FORCE、細胞透過性ペプチド(CPP)など異なる送達方式を採用しています。臨床結果も分かれ始めました。del-desiranの第III相HARBOR試験は、動画手指開放時間(vHOT)を用いた主要評価項目を達成できませんでしたが、一部の副次評価項目・探索的評価項目では薬理活性が観察されました。z-basivarsenのACHIEVE試験では、混合用量群のベースラインvHOTは8.2秒で、6カ月時点で3.2秒短縮しました。一方、プラセボ群では0.4秒延長し、1年追跡でも複数の機能指標に改善シグナルが認められました[2,3]。両試験のデザインは異なるため直接比較はできませんが、DMPKを介入できること、薬剤が筋肉へ届くこと、臨床的な利益が得られることは別々の段階であると示しています。核内での有効薬物濃度、筋群のカバー範囲、投与計画、評価項目の感度が臨床結果に影響する可能性があります。肝外送達の評価は、組織PK/PDから臨床効果の検証へと広がっています。

DMPKを標的とする複数の薬剤候補について、送達方式・作用機序・臨床開発状況を比較した図。
図8. DMPK標的薬の作用機序と臨床開発経路の違い。

DUX4:FSHDでは受容体標的siRNAの開発が進む。FSHDの主要な病態の一つは、骨格筋におけるDUX4とその下流転写プログラムの異常発現です。Novartis/Avidityのdel-braxに加え、SareptaのSRP-1001では初期のヒトデータが得られており、SouffléもREMEDY™プラットフォームでFSHDを最初の臨床開発対象として進めています。FSHDでは、十分な数の筋線維に持続的かつ均一で安全な薬理作用をもたらせるかが、送達方式の有効性を左右します。

3. 心筋標的:RNA医薬の送達が臨床評価へ

心筋送達は骨格筋より後から始まりましたが、臨床開発は急速に進んでいます。心臓は、全身投与されたオリゴヌクレオチドを届けにくい臓器の一つです。ATR 1072は心臓標的送達技術を用いてsiRNAを心筋細胞へ運び、PRKAG2 mRNAを低下させます。PRKAG2症候群はPRKAG2変異によって生じ、AMPKの異常活性化と心筋へのグリコーゲン蓄積を引き起こします。Corventis試験は約37例の患者を登録する計画で、PRKAG2 mRNAの低下や組織中siRNA濃度などを薬力学・探索的評価項目に含めています。同社によれば、これはPRKAG2症候群の遺伝学的な原因に介入する初の臨床試験です[4]。単一のパイプラインにとどまらず、受容体・リガンドを基盤とする非ウイルス性心筋標的RNA送達がヒトで評価され始めたことを示します。臨床的な有効性と安全性は、今後のデータで検証される必要があります。心血管・代謝性疾患の前臨床評価についてもご覧ください。

PRKAG2変異によるAMPK異常活性化と心筋グリコーゲン蓄積、およびATR 1072によるRNA介入の模式図。
図9. PRKAG2症候群の病態機序とATR 1072の治療アプローチ。

PRKAG2以外にも、PLN、MYBPC3、RBM20、ATP2A2/SERCA2Aなど、心筋機能や遺伝学的機序が明確な標的があり、心臓RNA医薬の開発領域を広げています。Souffléは自社の心不全プログラムでPLNを治療標的とし、Bayerと共同で拡張型心筋症向けの心筋細胞選択的siRNA療法を開発しています。大手製薬企業が心筋特異的RNA送達を独立したプラットフォーム機会と捉え始めたことを示しています[5,6]。

心筋標的のTfR1-AOC、REMEDY、GLP1Rリガンド、CD29送達戦略とPRKAG2、PLNなどの治療標的。
図10. 心筋標的小核酸送達プラットフォームと治療標的の例。

4. 検証モデル:送達標的と治療標的を「二層のヒト化」で評価

受容体介在型送達の前臨床評価では、二つの要件を満たす必要があります。送達モジュールがヒト受容体を認識するか、その受容体を介して組織分布や細胞取り込みが生じるかを評価すると同時に、オリゴヌクレオチドがヒト標的配列を制御できるかを検証します。そのため、評価モデルには相互に連携する二つの段階が必要です。

  • 送達標的のヒト化:受容体結合、組織分布、細胞取り込み、送達効率を評価。
  • 治療標的のヒト化:標的RNAのノックダウン、スプライシング制御、バイオマーカー変化、疾患関連薬効を評価。

TfR1-AOCを例にすると、抗体モジュールがヒトTfR1とマウスTfR1を認識する差は、組織PKや送達効率に影響する可能性があります。一方、DMPKやDMDなどを標的とするオリゴヌクレオチドは、標的配列との一致が必要です。そのため通常のマウスでは、送達側と治療側の要件を同時に満たせない場合があります。CACNG1の例も別の必要性を示しています。RegeneronはヒトCACNG1を発現するマウスを用いて、骨格筋および非標的組織での抗体分布を比較しました[7]。送達標的をヒト化したモデルは、組織選択性と送達の治療域を評価する際にも役立ちます。

これらのニーズに応えるため、サイヤジェン(Cyagen)のヒト化モデル基盤では、「送達側+治療側+組み合わせ」のモデル構成を用意しています。

  • 送達側:TFRC、IGF1R、GLP1R、インテグリン関連サブユニットのヒト化モデル。TfR1、GLP1R、インテグリンなどの送達入口に対応し、ヒト受容体への結合、組織分布、送達効率を評価します。
  • 治療側:DMD、DMPK、MSTN/GDF8、ACVR2A/B、MYBPC3などのヒト化モデル。標的RNAノックダウン、スプライシング制御、薬効を検証します。
  • 組み合わせ:TFRCとDMD、DMPK、GDF8、ACVR2A/Bなどの複合ヒト化モデル。同一個体で「受容体介在送達—標的制御—薬効」をまとめて評価できます。

サイヤジェン(Cyagen)が提供する骨格筋・心筋小核酸医薬の送達標的・治療標的ヒト化モデル。

No.標的/組み合わせ研究用途対象組織モデル種/状態製品番号製品名
1TFRC (TfR1/CD71)送達骨格筋・心筋ヒト化C001584B6-hTFRC(CDS)
2TFRC (TfR1/CD71) + DMD送達+治療骨格筋・心筋複数標的ヒト化C001595hTFRC/hDMD(E49-53)
3TFRC (TfR1/CD71) + DMD送達+治療骨格筋・心筋複数標的ヒト化C001596hTFRC/hDMD(E8-30)
4TFRC (TfR1/CD71) + DMD送達+治療骨格筋・心筋複数標的ヒト化C001597hTFRC/hDMD(E44-45, dp140del)
5TFRC (TfR1/CD71) + GDF8送達+治療骨格筋・心筋複数標的ヒト化C001794huGDF8/huTFRC
6TFRC (TfR1/CD71)送達骨格筋・心筋ヒト化C001860huTFRC
7TFRC (TfR1/CD71) + ACVR2A送達+治療骨格筋・心筋複数標的ヒト化C001905huTFRC/huACVR2A
8TFRC (TfR1/CD71) + ACVR2B送達+治療骨格筋・心筋複数標的ヒト化C001906B6-huTFRC/huACVR2B
9TFRC (TfR1/CD71)送達骨格筋・心筋ヒト化+KOC001970hTFRC/Tn-KO
10TFRC (TfR1/CD71)送達骨格筋・心筋複数標的ヒト化C001985hIGF1R/huTFRC
11TFRC (TfR1/CD71) + DMPK送達+治療骨格筋・心筋複数標的ヒト化C002012huDMPK/huTFRC
12DMD送達+治療骨格筋・心筋複数標的ヒト化C001595hTFRC/hDMD(E49-53)
13DMD送達+治療骨格筋・心筋複数標的ヒト化C001596hTFRC/hDMD(E8-30)
14DMD送達+治療骨格筋・心筋複数標的ヒト化C001597hTFRC/hDMD(E44-45, dp140del)
15DMD治療骨格筋・心筋ヒト化C001775huDMD(E49-53)
16DMD治療骨格筋・心筋ヒト化C001881B6-hDMD (E49-53)*Del E50
17DMD治療骨格筋・心筋ヒト化C002055huDMD(E44-45, dp140del)
18DMD治療骨格筋・心筋ヒト化C002056huDMD(E44-45, dp140del)-DelE44
19DMD治療骨格筋・心筋ヒト化C002057huDMD(E8-30)
20MSTN (GDF8)治療骨格筋ヒト化C001636huMSTN(GDF8)
21MSTN (GDF8)送達+治療骨格筋複数標的ヒト化C001794huGDF8/huTFRC
22MSTN (GDF8)治療骨格筋複数標的ヒト化C002074huGDF8/huALK7E
23MSTN (GDF8)治療骨格筋複数標的ヒト化C002075huGDF8/huALK7
24MSTN (GDF8)治療骨格筋複数標的ヒト化C002082huGDF8/huALK7/huALK7E
25ACVR2A/B治療骨格筋ヒト化C001903huACVR2A
26ACVR2A/B治療骨格筋ヒト化C001904huACVR2B
27ACVR2A/B送達+治療骨格筋複数標的ヒト化C001905huTFRC/huACVR2A
28ACVR2A/B送達+治療骨格筋複数標的ヒト化C001906B6-huTFRC/huACVR2B
29ACVR2A/B治療骨格筋複数標的ヒト化C001948huACVR2A/huACVR2B
30IGF1R送達骨格筋・心筋ヒト化C001623B6-hIGF1R
31IGF1R送達骨格筋・心筋ヒト化C001624huIGF1R(BALB/c)
32IGF1R送達骨格筋・心筋複数標的ヒト化C001985hIGF1R/huTFRC
33DMPK治療骨格筋ヒト化C001882B6-huDMPK
34DMPK送達+治療骨格筋複数標的ヒト化C002012huDMPK/huTFRC
35Integrin αvβ6 (ITGAV/ITGB6)送達骨格筋・心筋ヒト化C001866huITGAV
36Integrin αvβ6 (ITGAV/ITGB6)送達骨格筋・心筋ヒト化C001871huITGB6
37MYBPC3治療心筋ヒト化C001987huMYBPC3
38GLP1R送達心筋ヒト化C001421hGLP1R
——開発中の標的CD36、CD29、ALPL、CACNG1、PLN、PRKAG2、RBM20、DUX4、GYS1 など————————

5. まとめ

TfR1-AOCからCACNG1、αvβ6、CD29、GLP1Rへと、送達プラットフォームは取り込み効率の向上だけでなく、細胞選択性と治療域を追求する段階に移っています。治療標的もDMD、DMPKからDUX4、PRKAG2、PLNへと広がり、ヒトでの検証が進んでいます。最近のDM1パイプラインの結果が分かれたことは、送達効率だけでは肝外小核酸の開発価値を判断できないことを示しています。受容体結合、組織曝露、細胞内活性、標的制御、疾患関連評価項目を一連のエビデンスとしてつなぐことが重要です。送達標的と治療標的を組み合わせたヒト化モデルは、この検証を臨床前段階に前倒しする研究ツールとなります。研究目的に応じたモデル選定や小核酸医薬の薬効評価について、サイヤジェン(Cyagen)へご相談ください。

次回は筋肉・心臓から肺・気道へと対象を移します。αvβ6などの能動標的受容体、吸入siRNA、局所投与が筋肉やCNSとは異なる送達の考え方を形づくりつつあります。CFTR、MMP7、TSLPなどの治療標的とどのように組み合わさるのか、肝外小核酸シリーズ第3回で取り上げます。

著者:Layne

参考文献

  1. Novartis. Novartis successfully completes acquisition of Avidity Biosciences, strengthening late-stage neuroscience pipeline and advancing xRNA strategy. 2026 Feb 27.
  2. Novartis. Novartis provides update on delpacibart etedesiran (del-desiran) Phase III HARBOR study for the treatment of myotonic dystrophy type 1 (DM1). 2026 Sep 8.
  3. Dyne Therapeutics. Dyne Therapeutics Announces Additional One-Year Clinical Data from Phase 1/2 ACHIEVE Trial of Z-Basivarsen (DYNE-101) for Myotonic Dystrophy Type 1 (DM1). 2026 Sep 29.
  4. Atrium Therapeutics. Atrium Therapeutics Doses First Patient in Corventis™, the First Interventional Clinical Trial for People Living with PRKAG2 Syndrome. 2026 Oct 27.
  5. Soufflé Therapeutics. Soufflé Therapeutics™ Announces Oversubscribed $135 Million Series B Financing to Advance Lead Clinical Programs and Continued Pipeline Progress. 2026 Oct 13.
  6. Bayer AG, Soufflé Therapeutics. Bayer and Soufflé Therapeutics announce strategic collaboration to advance cell-specific heart-targeted siRNA therapy. 2026 Jan 8.
  7. Regeneron Pharmaceuticals, Inc. Treatment of muscle related disorders with anti-human CACNG1 antibodies. US20260234660A1; WO2024173248A1.
  8. Sarepta Therapeutics. Sarepta Announces First Clinical Data from siRNA Pipeline Targeting FSHD1 and DM1. 2026 Mar 25.
  9. Sarepta Therapeutics. Sarepta Therapeutics Presents New Preclinical Data Demonstrating Robust Knockdown of Pathogenic DMPK RNA in the Nucleus with SRP-1003 in DM1 at 2026 Oligonucleotide Therapeutics Society Annual Meeting. 2026 Oct 14.
  10. Ionis Pharmaceuticals, Inc. CD29 targeted oligonucleotides and uses thereof. WO2025006955A2/A3. 2025.
  11. Arrowhead Pharmaceuticals, Inc. Glucagon-like peptide-1 (GLP1) receptor ligands for the delivery of therapeutic agents to cardiomyocytes. WO2026030212A1. 2026.
  12. Dyne Therapeutics. Our FORCE™ Platform. Accessed 2026 Oct 29.
  13. Aro Biotherapeutics. Aro Biotherapeutics Opens Enrollment of Phase 1b Trial of ABX1100 in Patients with Late-Onset Pompe Disease (LOPD). 2024 Oct 29.
  14. Bicycle Therapeutics, Ionis Pharmaceuticals, Inc. Bicycle Therapeutics enters exclusive $45 million licence and collaboration agreement with Ionis. 2021 Jul 15.

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