
サイヤジェンと共同研究機関、次世代網膜遺伝子治療に向けたAI設計AAVプラットフォームを発表
AI駆動型AAV工学と標準化された前臨床モデルを組み合わせ、網膜への低侵襲な遺伝子送達を目指す共同研究成果です。
サイヤジェン(Cyagen)と共同研究機関は、次世代網膜遺伝子治療に向けたAI設計AAVプラットフォームと、網膜標的ベクターAAV2.PN168を発表しました。研究成果「AI-engineered AAV Capsid Enables Intravitreal Delivery for the Treatment of Diverse Retinal Degenerations」は、Molecular Therapy Advances に掲載されました。
本研究では、サイヤジェン独自のAI駆動型生物計算、標準化された疾患モデル、共同研究機関の前臨床研究経験を統合し、従来の網膜遺伝子治療が抱える送達上の課題に対応する新規AAVバリアントAAV2.PN168を開発しました。関連する技術基盤は、AI駆動型AAV探索プラットフォームで紹介しています。
共同研究チームと研究成果
本研究では、サイヤジェン創業者のLance Han、YIMA Gene責任者のSheng Ren博士、広東省生物技術研究院副院長のYu Zhang博士が共同責任著者を務めました。Mochen Cui、Huaqing Liu、Lei Caiは共同第一著者として参画し、YIMA Gene、広東省生物技術研究院、暨南大学医学微生物学研究所が共同研究に参加しました。
図1. AI設計AAVプラットフォームと網膜標的ベクターAAV2.PN168に関する共同研究成果。
硝子体内投与で網膜送達の障壁に挑む
網膜遺伝子治療では、従来、網膜下投与が広く用いられてきました。しかし、この方法は手術操作が複雑で、組織損傷のリスクを伴います。共同研究チームはこの業界共通の課題に着目し、単回の低侵襲な硝子体内投与によって、網膜各層へ効率的かつ広範に遺伝子を送達することを目指してAAV2.PN168を設計しました。
AAV2.PN168は、マウスモデルだけでなく、非ヒト霊長類であるカニクイザルでも網膜送達能が評価されました。さらに、Leber先天黒内障1型(LCA1)および滲出型加齢黄斑変性(wAMD)のモデルで、持続的かつ長期的な治療効果が示されました。眼科疾患モデルと評価系については、眼科CROサービスをご覧ください。
AIとパイプライン開発の統合
本研究の重要な進展の一つは、計算設計、高スループットスクリーニング、in vivo検証を統合したAI駆動型の多目的反復スクリーニングプラットフォームを構築したことです。この仕組みにより、AAVカプシド候補の探索と最適化を効率化できます。
図2. AI駆動型AAVカプシドのクローズドループ・スクリーニングプロセス模式図。
人工知能と高度な遺伝子工学技術を組み合わせることで、網膜標的性と治療可能性の向上が期待されるAAVバリアントを効率的に選抜できます。このアプローチは、眼科疾患だけでなく、他の治療領域に向けた次世代遺伝子送達システムの開発にも応用可能な枠組みを提供します。
「AI駆動型の生物学的イノベーションは、遺伝子治療開発の未来を変えつつあります。AI計算、AAV工学、標準化された疾患モデル、前臨床評価能力を統合することで、サイヤジェンは革新的な遺伝子送達技術を前進させ、有望な治療候補の実用化を加速していきます」
— Lance Han, Founder of Cyagen Biosciences
遺伝子治療候補の研究開発支援については、遺伝子治療CROサービスおよびAAVパッケージングサービスをご参照ください。
網膜遺伝子治療の今後
今回の論文掲載は、共同研究チームのAI駆動型AAV工学能力が国際査読を通じて評価されたことを示しています。今後、サイヤジェンはAI生物計算と遺伝子送達プラットフォーム開発の統合を継続し、独自AAV技術、標準化された疾患動物モデル、包括的な前臨床薬効評価系を活用して、世界のバイオ医薬品パートナーと網膜遺伝子治療候補の開発を推進します。
革新的な遺伝子送達ソリューションを通じて、網膜変性疾患の患者に向けた、より安全で持続性が高く、利用しやすい治療アプローチの開発に貢献することを目指します。
論文情報
論文タイトル:AI-engineered AAV Capsid Enables Intravitreal Delivery for the Treatment of Diverse Retinal Degenerations
掲載誌:Molecular Therapy Advances
DOI:10.1016/j.omta.2026.201806
本論文についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの文献解説をご覧ください。
関連プラットフォームと企業情報
ワンストップ・マウスモデル検索プラットフォーム:MouseAtlas
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サイヤジェン(Cyagen)について
Cyagen Biosciences Inc.(「サイヤジェン(Cyagen)」)は2006年、医薬品開発業務受託機関及び細胞関連製品メーカーとして創業しました。現在、世界に1000名以上の社員が勤務しています。本社をアメリカ・カリフォルニア州シリコンバレーに置き、中国の蘇州と広州を製造拠点にしています。2016年に日本支店(サイヤジェン株式会社)を開設しました。遺伝子改変アニマルモデル作製のリーディングカンパニーとして、リーズナブルな価格帯で、高品質の試薬・ツールを提供しています。Cyagenはマウスモデルの提供だけでなく、眼科、神経科学、腫瘍免疫など様々な分野で契約研究機関(CRO)サービスも提供しています。私たちは遺伝性疾患の研究を支援し、遺伝子治療薬の開発を促進することを目指しています。
サイヤジェンは、独自の遺伝子編集技術、高度な疾患モデル、計算プラットフォーム、統合型前臨床研究ソリューションを通じて、バイオメディカル・イノベーションを加速するAI活用型バイオテクノロジー企業です。眼科、がん、神経科学、代謝疾患、自己免疫疾患などの研究領域を支援しています。



